岡上 容士

高知市在住の、フリーの校正者です。

岡上 容士

高知市在住の、フリーの校正者です。

記事一覧

「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」に関してのお知らせ + 「雑種」に関する記事

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの…

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カフカの「雑種」における、原書の版による違いと、翻訳の解釈が分かれている箇所

今回は、カフカの短編作品の中でも私が特に好きな「雑種」に関して、原書の版による違いと、翻訳の解釈が分かれている箇所を見ていきたいと思います。 この作品が書かれた…

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第20回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの…

岡上 容士
2か月前
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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第19回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの…

岡上 容士
3か月前
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「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」に関してのお知らせ + 翻訳「仮面舞踏会」

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの…

岡上 容士
4か月前
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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第18回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの…

岡上 容士
6か月前
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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第17回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの…

岡上 容士
8か月前
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番外編〈2〉:カフカの「通りに面した窓」において、翻訳の解釈が分かれている箇所

文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっていた「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の第16回に、「通りに面した窓」という小品が出てきま…

岡上 容士
8か月前
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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第16回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっている「咬んだり刺し…

岡上 容士
10か月前
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番外編:「変身」第Ⅲ部の、ある箇所の解釈について

「変身」の第Ⅲ部の、はじめから少し進んだ箇所では、以下のように書かれています。ですが、ここを読む前に、ここまでの状況をごく簡単に記しておきます。 グレーゴル(原…

岡上 容士
10か月前
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カフカの「変身」の英訳リスト

2023年7月15日修正 2024年5月14日修正 このリストは、これまでは頭木(かしらぎ)弘樹さんのブログに掲載させていただいており、感謝いたします。そしてこのたび、私の no…

岡上 容士
11か月前
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連載・第15回分 付録

〔1〕 aber eine besondere Wärme wollte sich nicht mehr ergeben. (...が、特別な気持の温かさというものはもう起こらなかった。〔原田訳〕)の英訳の一覧 ※前のコン…

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第15回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっている「咬んだり刺し…

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第14回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっている「咬んだり刺し…

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「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」に関してのお知らせ + 「雑種」に関する記事

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」という、この連載も書かせていただいています。

いつもですと、頭木さんのネット上の連載に合わせて、今頃に出しているのですが、今回は多忙のため

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カフカの「雑種」における、原書の版による違いと、翻訳の解釈が分かれている箇所

今回は、カフカの短編作品の中でも私が特に好きな「雑種」に関して、原書の版による違いと、翻訳の解釈が分かれている箇所を見ていきたいと思います。
この作品が書かれた年月は、資料によって、1917年の3月または4月としているものと、同年の4月としているものと、同年の5月から6月にかけてとしているものとがあります。カフカの諸作品が書かれた年月に関しては、このように資料によって微妙な違いがある場合が少なくあ

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第20回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」という、この連載も書かせていただいています。

私の連載の内容につきましては、第17回の「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所(連

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第19回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」という、この連載も書かせていただいています。今回は多忙でしたためとは言え、いつもよりだいぶ遅れましたことをお詫びいたします。

私の連載の内

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「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」に関してのお知らせ + 翻訳「仮面舞踏会」

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」という、この連載も書かせていただいています。

いつもですと、頭木さんのネット上の連載に合わせて、今頃に出しているのですが、今回は多忙のた

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第18回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」という、この連載も書かせていただいています。

なお、頭木さんの連載は、前々回までは雑誌『みすず』に掲載されていましたが、前回からオンライン

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第17回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」という、この連載も書かせていただいています。

なお、頭木さんの連載は、前回までは雑誌『みすず』に掲載されていましたが、今回からはオンライン

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番外編〈2〉:カフカの「通りに面した窓」において、翻訳の解釈が分かれている箇所

文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっていた「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の第16回に、「通りに面した窓」という小品が出てきました。この小品は、カフカの短編集『観察』に収録されています。ごく短いですがかなり難しく、訳によって解釈が分かれている箇所がかなりあります。
「変身」とは勿論全く別の作品ではありますが、せっかく頭木さんの連載に出てきましたから、今回はこれの

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第16回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」というコラムも書かせていただいています。『変身』の諸訳による解釈の相違にご興味がおありでしたら、お読みいただけましたら幸いで

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番外編:「変身」第Ⅲ部の、ある箇所の解釈について

「変身」の第Ⅲ部の、はじめから少し進んだ箇所では、以下のように書かれています。ですが、ここを読む前に、ここまでの状況をごく簡単に記しておきます。
グレーゴル(原田義人〔よしと〕訳では「グレゴール」)がこのように虫になってしまったために、彼の家族たちは働かなくてはならなくなります。その疲れもあって、家族たちはグレーゴルに前ほど関心を払わなくなります。彼の世話は引き続き妹のグレーテがしていますが、彼女

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カフカの「変身」の英訳リスト

2023年7月15日修正
2024年5月14日修正

このリストは、これまでは頭木(かしらぎ)弘樹さんのブログに掲載させていただいており、感謝いたします。そしてこのたび、私の note にも掲載することになりました。

このリストは、アマゾンで取り扱われていない本は別ですが、それら以外の大部分の本は アマゾン のサイトから購入できるように作ってあります。ですが、アマゾンのサイトでは、同じ条件で検索

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連載・第15回分 付録

〔1〕
aber eine besondere Wärme wollte sich nicht mehr ergeben. (...が、特別な気持の温かさというものはもう起こらなかった。〔原田訳〕)の英訳の一覧
※前のコンマ等は省略します。

but the act was accompanied by no remarkable effusiveness. (A. L. Lloyd 訳)
bu

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第15回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」というコラムも書かせていただいています。これまでは頭木さんのブログをお借りして掲載させていただいていましたが、前回からは私自

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「変身」において翻訳の解釈が分かれている箇所(連載の第14回で取り扱われている範囲で)

岡上容士(おかのうえ・ひろし)と申します。高知市在住の、フリーの校正者です。文学紹介者の頭木(かしらぎ)弘樹さんが雑誌『みすず』に連載なさっている「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」の校正をさせていただいており、その関係で、「『変身』において翻訳の解釈が分かれている箇所」というコラムも書かせていただいています。これまでは頭木さんのブログをお借りして掲載させていただいていましたが、今回からは私自

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