トランプSurprise @大阪+板門店
さすが、というかトランプ大統領、大きなお土産がありましたね、特に板門店。これは予測が付かなかった。Surpriseは大きく2点。
1. ファーウェイへの米国企業の輸出解禁。(除.安全保障関連)と第4弾の対中関税引き上げ見合わせ。 2. 北朝鮮金委員長との首脳会談@板門店。
今回は市場に織り込まれていなかった要素が出てきたので、明日1日から開く ↓ 。各市場の反応を予想してみよう。
<株式市場の反応>
とりあえず買いが先行するだろう。特にファーウェイに部品を納めている米メーカーや半導体関連などが主導で、アップルなど生産拠点が中国に多い企業も好感されそう。1日はまず東京市場が先に開くのでNY市場などに先立って日経平均先物などにヘッジ的な買いが入ってくる。
トランプとしてもとりあえず農産物の対中輸出などを取り付けてきているので、「アメリカのセールスマン」としては面目躍如か。これ以上中国景気が減速するのは米国にも得にならない、と判断した可能性も高い。中国の消費が持ち直すのであれば、日本や欧州の株式市場にも追い風となるが、G20前に期待で株価が上げていた分もあるので、そこまで大きな反発にはならないかもしれない。
<金利市場の反応>
米国債はとりあえず反落となるだろう。10年利回りで+5ベーシスポイントぐらいか。中国の景気減速 → 世界景気減速がとりあえず回避されそうなので、FRBも早急な利下げの必然性は薄れると思う。FRBの利下げに伴う円高から日銀にも追加利下げ観測が出ていたが、これも一旦は落ち着くだろう。
<為替市場の反応>
ドル金利の反騰を受ければややドル高気味に推移しそう。ただ需給的には米国産品の輸出増はドル売り要因となり、また円高で苦しんでいる日本勢の外貨投資の動向も気になる。わかりやすい株式市場に比べるとやや神経質な動きが続きそう。
「Buy the Rumour Sell the Fact」(噂で買って真実で売れ)というマーケットの諺があるが、今回はRumourもなかった事が起きているので、ややSurprise的な反応になろう。
トランプ大統領という人は商売人だけあって、こういった市場の性質を熟知している。彼のやり方は、*まずネガティブな事を大々的にぶちかましておいて、それを解決することによって利を得る、というもの。英語にすれば「Sell the Process Buy the Results」とでも言おうか。これでダウを26,000ドル台まで持ち上げてきたのだから、ある意味大したもの。
*カラータイマーが赤点滅する3分ぎりぎりまでやられっぱなしのウルトラマンが最後にスペシウム光線で怪獣をやっつける、あれである。
実はこのやり方、発想は北朝鮮が得意とする「瀬戸際外交」とよく似ている。違うのは国力だけ。だからあの2人は息が合うのかもしれない。
板門店での突然の米朝首脳会談については、韓国のKOSPI指数あたりは囃すかもしれないが(もっとも日本からの半導体関連の輸出規制やホワイト国指定解除はネガティブ要因)、マーケット全体にはニュートラルではないか。アメリカとしては日本には陸上イージスやF35など兆円単位の売り込みは終了しており、北朝鮮との軍事的緊張は用済み、というわけだ。これで駐韓米軍を撤退できればコストも大幅に減らせるし、まさに金、金、金。
そもそも北朝鮮の脅威がなくなるのなら、あれほどの軍備=陸上イージスとF35、本当に必要? 維持費も合わせて何兆円にもなるが、年金に回せれば、老後の不足金も2,000万円から1,500万円ぐらいには減らせるのでは...。
一度でいいから、「金なら出す」ではなくて「びた一文出さん!」ってやって欲しい。お金に緩すぎるよ、日本人。そして日本は選挙に突入。果たして結末や如何に。
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