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「お金」は大事にしないと逃げていく

 知人A:月収(毎月20日、手取り)20万円、生活費▼20万円(毎月10日、カード決済)、預金残高100万円

 2024年1月某日:「預金もあるし、この100万円の家具買っちゃおうかな。でも一括払いにすると預金が無くなっちゃうから5回の分割払いにしよう」

 3月20日(給料日):「おっ、預金減ってないじゃん。分割払い大正解。少し贅沢しても大丈夫かな」→生活費▼20万円を▼25万円に増やす

 4月20日:「預金ちょっと減ったけどまだ75万円もある。順調順調」

 5月20日:「あれっ、預金が50万円に減ってる...」

 6月10日:「預金が25万円になったけど大丈夫かな」

 7月10日:「カード決済に▼20万円足りない!20日にお給料が入るからそれまでXX(友人)に借りておくか」

 8月10日:「また▼25万円足りない!もうXXには頼めないしどうしよう」

 このA氏の「資金繰り」を表にするとこうなる 

 「カード決済」「分割払い」をすると「お金」が楽になる(≓得をする)と「錯覚」する人が一定数いるようだが、銀行の「資金繰り」を担っていた「損切丸」の立場からするとちょっと信じられない。▼100万円の大きな買い物をしたのに2ヶ月後に預金が100万円のままだったのが「錯覚」の元

 この類いの人達は "目の前にある「お金」は使ってもいい" と考える傾向があり、気が大きくなると生活が派手になったりする。それまでお給料の20万円の範囲で暮らしていたのを▼5万円支払いを増やしたのが運の尽き

 この ”時そば” (お勘定の途中で時間を尋ねられて代金の支払いを減らした、といった内容の落語)みたいな話、何が問題なのか

 「分割払い」 > 「一括払い」

 この ”方程式” が間違っている。正しくは分割払い ≓ 一括払い。このケースでは1月に買い物をした時点で「預金はゼロになった」と認識するのが正しい「分割払い」で支払いが半年延びただけで「お金」を使った事に違いは無い。それが最初の支払いが▼20万円だった事で「錯覚」してしまった

 そしてもっと重大な間違いは手元の「お金」が減らない事で気が大きくなり生活費を増やしてしまった事お給料は20万円で増えていないのに毎月▼25万円使えば「お金」は足りなくなる。単純な話だ

 この話は実話に基づいているが、60年も生きてきて色々な人に接するとこういうタイプの人が結構いる。曰く「お金を大事に出来ない人」カードで買い物しても翌月いくら引き落とされるのか気にも留めない

 こういう人に50万円とか100万円とかまとまった「お金」を渡すとあっという間に ”無駄使い” 。仮に宝くじで1億円当っても結果は同じ。苦労しないで手に入れた「お金」なら尚更「大事にしない」 ”悪銭身につかず” 

  "買い物依存症" でカードで買い物しまくって「個人破産」してしまうのはこう言う傾向が強い人。ここで危惧されるのが足りなくなった「お金」をサラ金等から「借金」しようとする事。@10~15%なんかの金利で借りたらその利息で "雪だるま式" に支払いが嵩む。こんな人が経理・財務を担当したらその会社は間違いなく「倒産」まっしぐら

 実はA氏と同じように「お金を大事にしなかった国」がある。そう「日本政府」だ。その象徴が「XXノミクス」。まさに目の前にある「お金」を "無駄使い" しまくったわけで、しかもその*ほとんどが「借金」

 *国が個人や企業と違うのは「徴税権」という特権がある点。しかも ”子会社”(?)の日銀に「ゼロ金利」で半分以上引き受けさせるという暴挙「借金」≓ 国債残高が10倍以上になったのに利払いが減っては "浪費" しない方が無理というもの

 たまたまこのタイミングでやっと(苦笑)日銀が@0.25%へ「利上げ」に動いたが、やらないと思っていた人が多い事に驚く与党の有力政治家の「利上げ」発言を見ても政治的に流れが変わったのは明らか今度また自分のせいで「円安」が再加速したら怖い先生方に何を言われるか判らない状況で植田総裁が「利上げ」を先延ばしにするはずがない良くも悪しくもこれが日銀やっと「金融緩和」の文言が消え、先行きの「利上げ」見通しを語るのもほぼ想定内だ

 「国債買入減額」については、とりあえず8月に▼4,000億円程減らす ↓ ようだが、詳細はまた別の機会に。とにかくこの国が「お金を大事にする」方向に転換したのは喜ばしい変化「金利」が付けば  "無駄使い" は出来なくなる。やっと「普通の国」になろうとしており、これで異常な「円安」も一服するだろう。筆者はこの動きを歓迎したい

 

 

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