大き過ぎて潰せない。 "Too Big to Fail"
なるほど、国内法では「破産」の概念が適用出来ないからNYでチャプター15か...。 「時限爆弾」は止められないのか。|損切丸 (note.com) はこの事だったのかもしれない。バイデン大統領も随分あからさま(苦笑)。
発表は市場が閉まってからだったが、ここ数日引けにかけてジリジリ売られたNYダウやナスダックを見るに、マーケットでは "公然の秘密" として囁かれたいたのだろう。大統領が「時限爆弾」なんていうぐらいだから。
前稿.米国債「プレミアム」(=上乗せ金利)の復活と「円安」が迫る「YCC廃止」→「利上げ」。|損切丸 (note.com) でも触れたが、こういう時に鍵を握るのがレパトリ(Repatriation、損失穴埋めのための取引)。
落ちたのが「利」が乗っている①NYダウ②ナスダック③ドル円という感じだが、値付けの根拠が薄いビットコイン(BTC)が急落したのは「現金化」に躊躇いがない証拠。こういう時は真っ先に売り対象になる。逆にさして売られない日経平均をみると「利」が乗っていないらしい(苦笑)。
さて本題はここから。大き過ぎて潰せない。 "Too Big to Fail" は恒大集団の事を指しているわけではない。「中国」そのものである。
今回の件でどうしても思い起こしてしまうのが、1997年「アジア危機」時における「韓国」破綻の事例 ↓
韓国「外貨準備高」の怪(続編)- (仮説)ウォン安になるほどKOSPI高?|損切丸 (note.com)
直近の発表だと中国も外貨準備が3.2兆ドルもあると ”されている” が、内米国債は8,670億ドル(27%)。当時の韓国が25%だったことと妙に符合する。”利に聡い”(≓儲けにうるさい)両国の国民性に鑑みれば、*より「高利回り」の投資や民間の「資金繰り」に回っている可能性が大きい。不動産会社の「理財商品」や "高利貸し" である「一帯一路」、ドル建債や米国債なら名目金利の高い長期債を買っていたはず。
これは筆者の推定になるが、直近2ヶ月ほど10~30年の米国債が売られていたのは、この事態に備えて中国政府が「現金化」していたからではないか。この動きは米財務省やFRBからは丸見えで、格付会社やウォール街を巻き込んだ "出来レース" の可能性すらある(アメリカはそう言う国)。
恒大集団の債務総額は47兆円というが、このうち国が「理財商品」保有のような形でどれだけ ”支援” していたのだろう。FXで買ったドルを勝手にパキスタンや国内不動産会社に「高利回り」で投資して、 "デフォルト" で踏み倒されてはアメリカもたまったものではない。
「韓国」同様「落とし前」を付けるべきなのだろうが、そう簡単にはいかない。まさに "Too Big to Fail" 。IMF(国際通貨基金)そのものより大きいのだからとても手に負えない。「中国」を潰すということは「世界経済」を破綻させるに等しく、それは「アメリカ」の破綻をも意味する。
おそらく「バブル」崩壊後の日本同様、10年単位の時間をかけてジワジワ "なぶり殺し" にする腹づもり。問題は1990年代ほどアメリカに十分な国力がなく世界経済全体は支えられない事。かなりの "切り捨て" が起きる。
そう言う意味ではかつての経済大国・日本の復活が待たれる。CPI ↓ など物価指標をみても、**「デフレ」からの脱却→「インフレ」突入は見えている。復活の狼煙ともいえる。
"リハビリ中" の日本にかつてのアメリカやリーマンショック(2008)後の中国のように世界全体を牽引する力は無い。だが傷を浅くする事は可能。これはこの国にとって大きなチャンスでもある。 もう「失敗」できない日銀。|損切丸 (note.com) などと尻込みするなかりではなく、今度こそ「正しい道」を歩んで欲しい。それでやっと「昭和」から脱却できる。国のトップがそう考えていることを(半分?)期待して。
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