「新型コロナウィルス」がマーケットにも「パンデミック」 ー アップデート@20:30 27 Jan 2020。
「新型コロナウィルス」の影響がマーケットにも広がってきている。現時点でのアップデートをしておこう。
<株式市場>(中国、韓国は旧正月でお休み)
日経平均株価 : NI225(終値) 23,343.51 ▼483.67 (▼2.03%)
NYダウ30先物 :3月物 2020 28,462.0 ▼471.0 (▼1.63% )
イギリス株価 :FTSE100 7,419.50 ▼166.48 (▼2.19%)
ドイツ株価 :DAX指数 13,265.70 ▼310.98 (▼2.29%)
フランス株価 :CAC40 5,903.48 ▼120.78 (▼2.05%)
中国が今やGDP世界第2位になっている事から、やはり株式市場へのダメージは大きい。世界の主要株式市場が軒並み▼2%程度の下落となっている。
1つの参照値になり得るのがSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)。2002年11月~2003年7月:8,422人が感染、916人が死亡(致命率11%)、終息するまで9か月を要した。*日経平均:2002年11月 9,293.86 → 2003年(安値)4月 7,603.76 ▼1,690.10(▼18.2%)。
*2001年のいわゆる「ITバブル」崩壊の余波( ↓ S&Pチャートご参照)を受けて、日経平均は2002年5月高値の12,081.43 → 2003年4月安値 7,603.76 ▼4,477.67(▼37%)の大暴落の過程にあり、一概にSARSだけの影響とは言えない。ただ、悪い時に悪い事は重なるものである。
<為替市場>
ドル円 108.94 ▼0.308 (▼0.28%)
ユーロ/ドル 1.10256 △0.00017 (△0.02%)
為替市場はあくまで株式市場を眺めながらの展開で大きな動意はない。日経平均と連動するイメージが強い円が買われた程度だ。ユーロが統合されずドイツマルクやフランスフランが存在すればもう少し欧州通貨も色がついたかもしれないが、この辺り、通貨による調整機能がないことがユーロ経済の弱点でもある。
<金利市場>
相変わらずドイツ金利の低さが突出しているが、株の下落を受けてさすがに金利はグローバルに低下。特に絶対金利の高い米ドルやイタリア国債が買われている。「実質金利」も大幅に低下しており(もっとも景気悪化に伴い、時差を置いて物価上昇率の低下も考えられる)、CDSも拡大しているイタリアの低下幅が大きい。
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現在マーケットに出回っている流動性=お金の総量は一説には2008年(@リーマンショック)以前の3倍以上とも言われており、2002~2003年時ほどの株価の暴落はないものとは推測される。
しかし、未だ中国から正確な情報が伝わって来ないが、感染者、死者数はSARSを上回るとの予測も出ており、まだまだ予断を許さない状況だ。特に「パンデミック」は人間のコントロールが効きにくい領域でもあり、加えて発生源が**中国であることも気になる。
**1.24稿「SARS」の記憶でも書いたが、SARSは「生物兵器」であった可能性がある。直近ワシントンポストが記事を書いたようであるが、今回もその懸念があるという。確かに急性肺炎を発症するところなど似通った点もあり、武漢には化学研究所もあるそうだ。アメリカの領事館閉鎖や日本のチャーター機など動きが急な事と関連性があるのかもしれない。
2002~2003年の例で言えば、これに何か「悪い事」が重なる懸念もある。***実際、北朝鮮、イラン等の問題に加え、気候変動による山火事など天災リスクも顕在化しており注意が必要だ。
***日本にとって最悪のケースは「パンデミック」深刻化や台風、地震などの天災による東京オリンピック中止だろう。あまり考えたくないが、1~2%ぐらいの確率で心構えだけはしておいた方がいいかもしれない。
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