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"石橋を叩いて渡る” 日銀。

 もう「失敗」できない日銀。|損切丸 (note.com) からの繋がりで。

 9/9 Y新聞 "マイナス金利解除、物価上昇に確信持てれば年内にも"
  "ビハインド・ザ・カーブを積極的に許容するというわけではない" 
  "政府と連絡を取りつつ、経済・物価への影響をきちんと評価する"
 

 これも「あらゆる選択肢」に入るのだろう。 「ドル高」「円安」の終焉(?)。ー 「GDPギャップ」プラス転換が示唆する事。|損切丸 (note.com) で "何の前振りも無く「マイナス金利解除」と「ドル売り介入」を同時に発動" を提案した「損切丸」だが、タイミングが合えばそういう作戦もありだろう。企業の「外貨投資」による経常黒字や「外貨準備」の利益の嵩上げがあるとはいえ、政治的にも@150円超の「円安」は厳しい

 しかしマーケットが閉まった土曜日の朝刊にインタビュー記事を載せるなど、 "石橋を叩いて渡る” 日銀はかなり慎重。1990年代の金融危機時に銀行破綻に備えるためのやり方と同じだ。 ”ハゲタカ” に儲けさせないため、特にJGB(日本国債)には気を遣っている。これで週明け9/11(月)からの変動に備えることが出来よう。

 さてこれで「円キャリートレード」で金利差を取りにいっている ”ハゲタカ” や ”Ms. ワタナベ” はどう動いてくるか売った円をどこかで買い戻さなければいけない彼らに取って「外貨準備」「外貨投資」の利益確定のための「円買い」は脅威。何しろ "買い切り" なのだから。

 世界中で「利上げ」が進む中、日銀の「マイナス金利政策」は既に世界で突出。 ”ハゲタカ” の恰好のターゲットになっている。ここは "餌食" になる前に鉄槌を下したいところ。これは「お金の戦争」でもある。

 「損切丸」でも何度か解説しているが、「当座預金」500兆円余りのうち▼0.10%の利息を ”徴求” しているのは30兆円程度。この部分を廃止しても日銀が被るコストは年間▼300億円ほど。これから「利上げ」に向かう号砲を上げる効果を勘案すれば、まさに ”コスパ” が良い政策変更だ。

 通りで 日本国債(JGB)入札の異変。ー ”禍転じて福と成す” 精神が肝要。|損切丸 (note.com) が続くはず。もうこの話は "阿吽" の呼吸で「日本金融村」には伝わっており国内の銀行も生損保も10年超のJGBなど買わない。金利上昇に備えて金利スワップのPAY(固定金利を払うの意)などヘッジ取引も済ませ、住宅ローンの金利引上げが続くのも同根。まさに 銀行は知っている。|損切丸 (note.com) 。

 GDPギャップのプラス転換「人口動態」による「人手不足」「人件費上昇」も政府・日銀内では共有されているはずで、敢えて日銀がCPIの見通しを下方修正したのも市場の混乱を避けるためのスムージング・オペレーションの一環と考えると納得がいく。もう失敗が許されない日銀としては当然の慎重さだが、あとは叩きすぎて石橋が崩壊しないのを祈るのみ(苦笑)。

 やはり 強過ぎる「アメリカ」。ー 日本では上がらない「家賃」に変化。|損切丸 (note.com) で、FRBの政策金利が向こう1年以上@5%を超えて続きそうな情勢になったことが大きいFRBの「利下げ」による「円安」修正の目論みは変更を迫られ、1年半の猶予。ー 対称的に「利上げ」を続ける「借金大国」アメリカ。|損切丸 (note.com) などと悠長な事は言っていられない。*日本も動かざるを得なくなった

 国内政治的には①「XXXミクス」信奉勢力の抑えこみ②使える財政資金の減少③「円安」嫌悪の国内感情への対処が必要になった。②財政資金に関しては「増税」である程度賄えるが、これも評判が悪い。支持率低迷に喘ぐ中、選挙対策としても③「円安」修正が即効性が高いタイミングはこの秋とも噂される総選挙絡みとなるだろう。

 この春先に友人と会食した時「日本の利上げ、結構早いと思うよ」と言った手前、植田総裁の口からやっと ”本音” が飛び出してちょっとホッとしている。FRBがそうであったように、金融政策というものは一度舵を切ると動きが速い秋の「政治の季節」を迎え、JGBを筆頭にドル円、日経平均、果ては米国債にNYダウも巻き込んでボラティリティーの上昇は避けられまい

 20年も続いた「中国の台頭」→「低金利」「ディスインフレ」が大きな転換点迎えつつある。やっと「金利」が上がりそうな日本にとっては悪い話ではない。依然筆者は日本に関してはポジティブなままである。

 


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