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続・” Rising Sun” 再び? ー "人為操作”( ≓ XXノミクス)からの脱却。

 ”日経平均株価が3万円突破 2021年9月以来、1年8か月ぶり”

 ” Rising Sun” 再び? ー 「当座預金」と「日本国債」の奇妙な均衡。|損切丸 (note.com) と思わせる好調ぶりから時間の問題と思われていたが、今日(5/17)日経平均が@30,000円にあっさり到達

 果たしてこれを手放しで喜んでいいのか?

 こういう時チェックしたいのが「ドル建日経平均」( ↑ 標題添付)。現在の@30,000円 ≓ @220ドルであり、実はさほど ”高値” ではない。直近なら2021年2月の約@280ドルが ”高値” であり、今なら@38,000円ぐらい。そう言う意味では ” Rising Sun” には程遠い

 では2021年の日経平均@30,000円と今の@30,000円はどう違うのか?

 鍵になるのは日銀が直接株式市場に手を突っ込んだ「ETF買入」だ。

 「XXノミクス」「XXバズーカ」の一環として2016年から年間6兆円規模の「ETF買入」が行われ、2021年までに37兆円に到達。市場の取引手法としては "スクイーズ” (squeeze)≓「買占め」というやり方だが、銀行や証券会社が行うのと違って「お金」を際限なく突っ込める「国」が主体。理屈としては (仮説)日経平均が54,000円に? - 政府・日銀が日本株をもっと買い占めたらどうなるのか? 「日本の収支」から検証。 「逆の目」も。|損切丸 (note.com) も可能だ。

 こうなると、いくら "割高" と判断しても市場参加者が売り向かうのは "無謀" アービトラージ(裁定取引)でその辺りの理屈を熟知している外資系が ”提灯” をつけて日本株を買い上がった2021年9月の@30,000円はその結果生まれた "あだ花" でしかなく、「公的マネーが大株主 8割」 ー 日銀・GPIFによる「株買い占め」。なぜ今更 ”表沙汰” にするのか?|損切丸 (note.com) という異常事態を招いた。

 その後「コロナ危機」もあって日本株は "割高" な不人気銘柄として世界からそっぽを向かれてきた。それがこの2年間の「ドル建日経平均」@280ドル → @200ドル割れという事になる。「円」も@105円→@130~150円と▼30~▼50%も減価。まさに「貧しくなる日本」だ。

 ”底無しの相場も天井知らずの相場も無い”

 FXでも株価でも大暴騰とか大暴落は起きうるが、不当な "割安" "割高" は必ず是正される。問題はその ”理由” を正確に分析し、あとはタイミングを計ることに尽きる。日本の場合、最も大きな ”理由” は "人為操作”( ≓ XXノミクス)。「無理は通っても無理」の典型例である。

 「損切丸」ではずっと日銀を追いかけてきたが、実は2020.10.30. 日銀が ”こっそり” 「出口戦略」開始?|損切丸 (note.com) から ”変化” が始まっていた。そして 2021.3.19. 日銀「金融政策総点検」 @19 Mar 2021概要。|損切丸 (note.com) で「ETF6兆円」の枷が外れている「ドル建日経平均」のチャートの動きと見事に符合しているが、膨れた "割高" の解消が2年間で行われた事になる。そう言う意味で今がタイミングなのだろう。

 ただバラ色のシナリオばかりでもない。もう一つ、重大な "人為操作” 解消作業が残っている。そう、日銀が保有するJGB(日本国債)586兆円だ。

 それに着手したのが前・日銀総裁の最後っ屁(苦笑)「YCC金利引上げ」で、やっと始まったばかり。ほとんど@0%だった10年JGBは@0.50%近辺まで上昇している。

 「GOTO」やエネルギー補助金で "嵩下げ" されているCPIに鑑みれば、 "リアルCPI" は+4%を超えている。仮に比較対象の前年度の数値が上がって率が漸減するとしても、+2%を下回る可能性は低い人手不足による「賃上げ」が続くなら尚更だ。JGBの "人為操作” が解消されれば、金利は@2%近辺に終息する可能性が高いだろう。

 仮にこの "作業" が全て上手くいけば、日経平均>@300ドルも不可能では無い。理想的な帰結として筆者が想定しているのは:

 10年JGB @2%
 ドル円 @120円
 日経平均 @36,000円=@300ドル

 決してポジショントークではないが(苦笑)、日本人の一人としての希望も込めて。そこまでいって、やっと ” Rising Sun” 再びと言えるようになるだろう。だが道のりは遠い。

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