パレット家具(KNOLL PINE)立ち上げました。
新しい取り組み
弊社で新しい事業として国内年間3,500~4,000万枚廃棄させる物流にかかせないパレットでの家具の製造販売を行うことになりました!
パレットと運送
運送用のパレットとしての役割は、荷物を安全に、そして効率よく運ぶためのもの。強度や耐久性が求められ、そのためには、しっかりとした材料としての木の特性が最も適している。パレットは、倉庫での積み下ろしや、トラック、船、飛行機での輸送時に、商品を支える基盤としての役割を果たす。また、適切な高さやサイズに作られているため、効率的な運搬や保管が可能となる。
そして、このパレットが、私たちの生活にどれだけ深く関わっているかを考えると、驚くことであろう。スーパーマーケットの商品、家具、衣料品、電子機器。これらは全て、運送の過程でパレットに乗せられ、私たちのもとへと届けられる。そのため、パレットは、私たちの生活を支える無形のヒーローとも言えるだろう。
このように、パレットの出発点は、遠くの森から始まる。そして、その旅は、私たちの生活の中で続いていく。運送用のパレットとしての役割を果たす中で、木は新しい物語を刻み込んでいくのである。
傷と色のストーリー
木のパレットは、多くの場所を巡り、無数の物語を刻んできた。その旅の中で受ける擦り傷や打痕、雨や太陽の影響での色褪せは、ただのダメージとして終わることはない。それらの変化は、パレットが持つ深い個性や独自のストーリーを形成していく。
傷一つ一つには、その背景に何があったのか、どんな状況で生じたのか、その時の気温や湿度、そして取り扱っていた人の心情までが隠されている。例えば、角にできた小さな傷は、狭い道を通る際のぶつかり傷かもしれない。また、色の変化や木目の動きは、長時間の太陽の下での労働の証かもしれない。
しかし、それらの傷や色褪せは、パレットが受けたダメージの証というだけではない。それは、ある時は強い日差しや雨風にさらされ、またある時は荷物の重さに耐えながらも頼りにされてきた証拠であり、その存在価値の証明でもある。時間とともに増えていくこれらの痕跡は、その道のりや経験を通して、パレットの個性や魅力を高めていく。
最終的に、それらの変化や特徴は、アップサイクルされた家具の一部として、新しい生活の中で独自のストーリーを語り始める。傷や色の変化は、木が経験してきた物語の一部となり、私たちにその歴史や背景を感じさせてくれる。
暮らしの中のパレット
再生されたパレット家具が私たちの家にやってくると、それはもう単なる「物」ではない。かつての運搬用具としての姿から、暮らしの中心としての役割へと変わり、家族の日常に根付いていく。
朝、リビングで目を覚ましたとき、そのパレット製のテーブルは、家族の朝食の場となる。一日のスタートを共にし、それぞれの顔色や気持ちを映し出す鏡となる。休日の午後、子どもたちがその上で宿題をしたり、趣味の工作を楽しんだりする姿も。その傷や節が、子どもたちの創造力を刺激し、新しいアイディアや遊びを生み出すこともあるだろう。
そして夜、家族が集まって夕食を楽しむとき、そのパレットのテーブルは、おいしい料理や家族の笑顔、日々の出来事を共有する場となる。テーブルの角や面の木目が、家族の会話や温もりを優しく照らし出す。
その家具は、ただの物ではなく、家族の日常や思い出を共有する存在として、特別な場所を持つようになる。かつて運送の役割を果たしていた木が、今は家族の絆を深めるための役割を果たしている。再生されたパレット家具は、その強さや歴史を背負いながらも、家族の日常の中で優しい時を刻んでいく。
木の終着点
木が運送の役目を終え、家具として再生されることで、その旅は一つの終着点を迎える。しかし、この「終わり」は新しい「始まり」でもある。再生されたパレット家具としての役割は、単なる日常の一部としての存在ではなく、次世代へと繋がる物語のスタート地点となる。
リビングでの静かな日々の中で、この家具は家族の様々な瞬間を見守る。子供の初めての一歩、家族の大切な祝いの場、友人との楽しい時間。それぞれの瞬間が、木の中に新たな記憶として刻まれていく。そして、その記憶は、家具としての形を通して、次世代へと伝わることになる。
ある日、子供が成長し、新しい家庭を築くとき、その家具は彼らと共に新しい家へと移るかもしれない。そこで、再び新しい物語が紡がれる。このパレット家具は、過去の家族の歴史や絆を背負いつつ、新しい家族の歴史の一部として存在し続ける。
このように、木の旅は終わりを迎えることはない。過去の記憶や経験を持ちながら、未来へと続く新しい物語を始めるのだ。そして、それは家族の歴史や絆を繋ぐ、永遠のバトンリレーとして、次世代へと受け継がれていく。木の旅は、終わりのない連続した物語として、私たちの心の中に永遠に生き続ける。
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