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オフィスチェアとゲーミングチェアってどっちがいいの?

Twitterでしょっちゅうお見かけするのが、こちらの問いかけです。

「オフィスチェアとゲーミングチェアって、どっちがいいの?」

今日は、70年以上に渡って椅子を作り続けているオカムラ(の公式Twitterの中の人)なりに、この問いにお答えしてみようと思います。

その「いす」は何のための「いす」?

突然ですが、クイズです。

こちらの、背がかなり低くなっていて、キャスターのない丸ベース脚の椅子は、どんな用途の椅子だと思いますか?

(ちなみに、キャスターがないので椅子自体を動かすことはできませんが、その場でくるっと回転させることは可能です)

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正解は、「病院・クリニックの診察室で患者さんが座るための椅子」です。

不用意に動いてしまうことがなく、その場でくるっと回転することができ、背の部分が低く設計されているのでドクターが聴診器を背中に当てやすくなっています。機能的にもデザイン的にも、まさに「患者さん用の椅子」です。

では、もう一問クイズを出してみましょう。

こちらの4本脚の椅子は、(画像ではちょっと分かりづらいかもしれませんが)座面シート部分が少し前傾しています。また、腰当てのクッションが標準装備されています。これはどんな人のためにつくられた椅子でしょう?

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正解は、「妊婦さんやお年寄りが、待合室で座るための椅子」です。

シートが前傾していることで立ち上がりやすく、腰当てクッションで腰回りを安定させることで、楽な姿勢をとることができるようになっています。

このように、一口に「椅子」といっても、どんな用途の椅子なのかによって、デザインや機能は大きく変わってくる、ということがお分かりいただけると思います。

「いす」の種類を考えてみよう

「いす」の種類ってどれくらいあると思いますか? 先述した「患者さんのための椅子」や「妊婦さんやお年寄りのための椅子」の他にも、椅子にはたくさんの用途と種類があります。

オカムラがつくっている製品から思いつくところを10種類ほど挙げていくと、

・ 執務向けオフィスチェア
・ 会議向けオフィスチェア
・ 学校の教室椅子
・ 病院の待合椅子
・ 空港のロビーベンチ
・ スポーツ施設のスタジアムベンチ
・ 小田急ロマンスカーの座席
・ 歌舞伎座の椅子
・ プラネタリウムの座席シート
・ ゲーミングチェア

などなど。(他にもまだまだあります)

空間と用途の違いによって、椅子自体のデザインや必要となる機能が変わってくる、ということをふまえると、「オフィスチェアとゲーミングチェアってどっちがいいの?」という問いには、前提となる大切な "条件" が抜け落ちてしまっていることに気が付きます。

そうです。

この問いの答えを考えるためには、

「FPSゲームを長時間するには・・・」
「パズルゲームに集中するには・・・」
「ゲームもするけど、ときどきお絵描きするなら・・・」

といった、「目的」や「用途」を考える必要があるはずです。

オフィスチェアとゲーミングチェアの違い

オカムラは2020年11月に、初めてのゲーミングファニチュアブランド STRIKER[ストライカー]を発表しました。

ゲーミングチェアの "STRIKER SEATING EX" や、電動上下昇降デスクの "STRIKER SWIFT" などで構成される、「e-Sportsを楽しむ全ての方々」を想ってつくられた家具シリーズです。

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ですので、STRIKER は単に「ゲーム用っぽい見た目の家具」ではなく、ライトユーザーからプロプレイヤーまで、「ゲームプレイに最適化された機能とデザイン」を備えています。ここが、オカムラがつくる「ゲーミングチェア」と、一般的な「オフィスチェア」の大きな違いです。

例えば、STRIKER SEATING EX は「前傾姿勢への対応」ができますが、その点だけを見れば、サブリナスタンダードシルフィーなど、オフィスチェアにも前傾姿勢に対応するシリーズがあります。

しかし、
「画面に集中しやすいヘッドパネル」
「高さ・前後・角度の3自由度で調節できるヘッドレスト」
「コントローラを持ったときに邪魔にならない背の3次元カーブ形状」
など、ゲームのジャンルに応じて快適なゲームプレイを実現するためのデザインや調節機構が盛り込まれているのが、STRIKER。文字通り、ゲームプレイをするために設計された「ゲーミングチェア」です。

STRIKERの詳細については、また別の機会にお話ししようと思いますが、オカムラがつくるゲーミングチェアは、
 × 「ゲームっぽい雰囲気のデザインだからゲーミングチェア」
なのではなく、
 ○ 「ゲームプレイに最適化されているからゲーミングチェア」
なのです。

そういう意味で、オカムラのゲーミングチェアは、コントローラやマウス、キーボード、ヘッドセットなどと同じように、「ゲームプレイ時の "ギア" のひとつ」なのかもしれません。

・・・で、結局どっちがいいの?

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「ゲームのジャンルによって変わる最適な姿勢にアジャスト可能な "ギア" のひとつ」として捉えるのであれば、ゲームプレイに最適化されたゲーミングチェアをぜひお試しいただきたいと思います。

でも、「ゲームはたまにやるけど、基本的には長時間PC作業(あるいは執筆やお絵描き)をするための椅子」が必要なのであれば、オフィスチェアの方が適していることが多いでしょう。

ただし、ここでいう「ゲーミングチェア」は、「見た目がゲーミング用っぽい雰囲気の椅子」のことではなく、あくまで「ゲームプレイのために設計された椅子」のことですのでご注意を!

オフィスチェアとゲーミングチェアとでは、そもそもの設計コンセプトや想定シーンが大きく異なるのですから。

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最後までお読みいただきありがとうございました!