機械音がおじさんの
穴が空いた生地をジャージの上から被せる。
荒い繊維が積み木になり雲へと繫いでいく。
雲の上は水辺があり神殿の入り口に辿る。
一式霧の中にぽつんと立つ違和感のある建物。
入り口の左右に地球外生物と思われる対象がいる。
2体のそれは腕をゴムゴムに伸ばし入り口を封鎖する。
2階に映る窓からは現実味のある匂いや風景が漂う。
損はしない、損しないとガラス越しに訴えてくる人。
2階の窓からその人はいなくなり入り口の方へと
視線を変える。
2体のそれはいなくなっており入り口の欠片へと入り込む。
真っ暗な階段をひたすら降りていく張り付く位に
左右は狭く息がし辛いたまに漂う友達の家に限りなく近い匂いに
安心を覚えて左右の狭さを忘れられる。
進んでいくと左右も広くなり踊り場に辿り着く。
壁に設備されているボダンを押して
パッ
光が付く。
ピロティ位広い踊り場に真っ黒な壁に床。
続く階段の隣にヤンキー座りでカップ麺をすすっている
剥げているおじさんがいた。
ヨレヨレの白シャツにデニムワイドパンツといった
意外な組み合わせに惚れ惚れするが危ない人物だと
認定してそれ場を去ろうとするが。
「我、何処のもんじゃ」
響き渡る広い空間にいるのはおじさんと私だけ。
ッ
喋ろうとするが声が出ない。
「我、何処のもんじゃ」
ッ
声が1マクロも出ない
「我、何処のもんじゃ」
「我、何処のもんじゃ」
「我、何処のもんじゃ」
「我、何処のもんじゃ」
「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」「我、何処のもんじゃ」
「我、我、我、我、我、我、我、我、」
機械の様に急にフラダンスを踊りながら
我々ダンスでステップを踏出す。
部屋が真っ暗になり静けさが夢中に漂う。
何も聞こえない何も見えない何も匂いがしない。
ガッ!我
耳元から不確かな機械音がする。
暖かくなくて冷たい冷気が顔に当たる。
カップ麺と一緒におじさんの顔は爆発し
おじさんの線から涙が溢れていた。
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