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マイノリティの地がまちづくり・保育・教育を通して培ってきた“価値”

NHKかんさい熱視線の取材受け入れ

 7月21日、事務局長として所属するタウンスペースWAKWAKへ取材いただきNHK「かんさい熱視線」が放映された。今回の番組趣旨は神戸市西区での6歳児童の虐待死事件など孤独・孤立対策の重要性が叫ばれる中、その解決方法の一つとして当法人が高槻市から受託している「高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業」(厚労省支援対象児童等見守り強化事業)の取材。2日間にわたって子育て家庭を実際に訪問する訪問員対象の研修会とメンター(助言者)会議、実際の訪問の様子を取材していただいた。

取材を受けた思い

 法人(タウンスペースWAKWAK)としてお受けした公式文章はそちらにあげたのでこちらでは個人の思いを。

 まずなによりもこうして微力ながら行っている法人の実践がメディアさんを通じて社会に広く発信されることを通して、本当に支援を必要とする人に届くように、虐待等で亡くなってしまう幼い生命が少しでも減るように。それを深く願いお受けした。

 もう一つは、格差社会となった日本において社会的不利を抱える人たちがより一層の不利を被る中、そうした社会的不利や孤独・孤立する家庭の支援にマイノリティの地が長年培ってきたまちづくり・保育・教育の実践を汎用し活かすこと。その長年のノウハウを“ひと”を通して映像から発信・共有すること。

マイノリティが培ってきた実践の価値

 自身はマイノリティの地で育ち、一度世界に出て再び帰ってくる時、被差別部落が長年培ってきた実践には現在のさまざまな社会課題を解決する深い価値があると思った。ただ、残念ながらこれまでのせっかくの実践が外にほとんど伝わっていなかった。この間、5度となるテレビ取材では様々な制約も当然ありながらも一貫して、これまでの実践のノウハウを“今の社会課題”とリンクさせ活かし、その取り組みを、メディアさんの力をお借りして社会に発信してきた。

みなさんが培ってきてくださった長年の実践にはそれだけの“価値”がある。

 心の中には、長年まちづくり・保育・教育それぞれの分野で関わってきてくださった方々へのリスペクトと同時にそれが社会から脚光があたることを願っていた。差別という影のうしろにある光の物語が評価されることへの願いでもある。

今回とりわけ願ったのは・・・

 今回はとりわけ“保育”という領域にフォーカスをして頂いた。メインとして出演していただいたお二人の先生は長年、地元の保育所で保育を通して、様々な背景の子どもたちや家庭の支援に携わってくださった尊敬する方。K先生、I先生はじめ長年の実践に携わってきてくださった方には、マニュアルを超えた支援の深みがある。そこには、保育を通して、保育者自身が“人として”地域や人生に深くコミットした経験があり、そこから生まれる「生き方」や実践の膨大な蓄積を通じたそれぞれのキャラクターに応じたオリジナリティのある技術や人生哲学、そこから創られる独特の“雰囲気”がある。実はその深みこそが様々な社会的不利を抱え、育ちの中で傷つきを経験してきた当事者の心を自然と開いていく、そんな場面をいくつも見てきた。
 その言葉ではなかなかつたわりきらない、でも実は対人援助において重要な“何か”を映像を通してお伝えしてほしいと願った。それはまさに、マイノリティの地がまちづくり・保育・教育を通して培ってきた“価値”のひとつ。 

 こんな願いをもとに受けさせていただいた。最後まで読んでいただきありがとうございます。

 岡本 工介

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