心の瞳

神社で受けた厄払いの神事の笛の音があまりにかっこよくて、昨年から篠笛を習っています。

始めてから1年半以上になりますが、つい先日まで歯の矯正の装置をつけていたこともあり、マイペースに、ゆる〜く、細〜く続けていました。

始めた当初に先生から、音が出るまでに一年かかるよと言われていたとおり、物理的な「音」はわりとすぐに出たものの、最近になってようやく、「音色」と呼んでもいいかな?と思える音が出るようになりました。

前回のレッスンは、矯正の装置が外れて初めてのレッスン。

歯の装置を気にせず、自然に息を吹き込んで軽やかな音が出た時、ああ、篠笛っていいなあと改めて感じました。

そんな、私にとっての新たな幕開けとなったレッスンで先生からもらったのは、坂本九(九ちゃん)の、「見上げてごらん夜の星を」と、「上を向いて歩こう」の譜面。

選曲に、心が踊りました。

レッスン中は初見で吹いたので、譜面を目で追うのがやっとでしたが、この2曲は、どうしてもうまく吹きたい!そう思って、曲の雰囲気を掴むためにYouTubeで曲を探しました。

メロディはもちろん知っていましたが、意外にも実際の歌をきちんと聞いたことがなかったので、九ちゃんの、じんわりとあったかく優しい歌声が、とても新鮮に感じました。

この2曲を何回も繰り返し聴いていたら、再生予定の次の動画に、「心の瞳」が出てきたのです。

え!?あの、合唱の心の瞳!?!?


ご存知だった方もいらっしゃるかと思いますが、合唱曲で有名な「心の瞳」が、九ちゃんの曲だったということを私はこの時知りました。

心の瞳は、高校一年生の時に文化祭でクラスの合唱曲として歌った、私にとってとても思い入れのある曲です。

それが九ちゃんの曲だったなんて!

興奮冷めやらぬまま聞いた、九ちゃんの心の瞳。

先の2曲も大好きですが、九ちゃんの心の瞳を聴いたとき、まだまだ酸いも甘いも噛み分けられない私にすら、ああ、人生って、こういうことなのかな、とストンと胸に落ちるものがありました。

私の言葉にすると軽くなってしまう気がするのですが、愛というものが、歌をとおしてこんなにも伝わることに、心がふるえました。


九ちゃんがこの世を去ってから、明日で35年になるのだそうです。

でも不思議な感じです。私が九ちゃんの曲に心動かされているのは、紛れもなく今だから。


この曲をもし今、日本中の人たちが聞いたら、みんなそれぞれに持っている優しさを思い出して、それは素敵な世界になるだろうな〜と想像してみたりします。


そういえば、前回の篠笛のレッスンで先生が、ほかに吹きたい曲があったら言って〜と言っていたのです、、、


先生、私「心の瞳」吹きたいです!












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