日本最古のラブレター

ラブレターという響きって、なんだかロマンチックじゃないですか?


思い返してみると、私、ラブレター、

書いたことないです笑


みなさんはどうでしょうか?

思い出して、甘酸っぱい気持ちになりましたでしょうか?^_^


ところで、古事記に書かれた日向神話の中に、

夫婦の神様が歌を送り合うエピソードがあります。

書かれた通りであれば、日本最古のラブレター、ということになりますね。


見方によっては、世界、

いや地球最古のラブレターとも言えるかも知れません^ - ^


どんなラブレターかといいますと、


アマテラスのひ孫にあたる山幸彦と、海のワタツミノカミの娘、豊玉姫との間で交わされたもので、


山幸彦との御子を身ごもった豊玉姫が、出産するに際し、

「私は出産する際、本来の姿に戻ります。お願いですから、私の姿をご覧にならないでください。」

と、山幸彦に言うのです。


見るなと言われると見てしまうのが古事記の面白いところで、

山幸彦は、

鮫となって這い回りながらお産をする豊玉姫の姿を見てしまいます。


これを恥じた豊玉姫は、産まれた御子の乳母として妹の玉依姫を海から呼び、自らは山幸彦の前から姿を消すのです。


決してお互いに嫌いで別れることになったわけではない二人。


豊玉姫は、妹の玉依姫に、山幸彦への歌を託します。


「赤玉は  緒さへ光れど  白玉の  君が装いし  貴くありけり」

赤い玉(豊玉姫が帰った海の珊瑚を表しているか)は、それを貫いた緒までも光るほど美しいですが、それにもまして、白玉(真珠か)のようなあなた様のお姿が気高く尊く思い出されます。



この歌に、山幸彦も歌を返します。


「沖つ鳥  鴨著く島に  我が率寝し  妹は忘れじ  世のことごとに」

鴨の寄り付く島(宮崎の青島が、この神話の伝承地となっています)で、私が共寝をした愛しい妻のことは、いつまでも忘れないだろう。私の生きている限り。



ラブレターというと、個人的に恋の始まりをイメージするのですが、


この歌は、愛を伝えると同時に別れの歌でもあります。

せつないですね。


でもきっと、歌に詠まれているとおり、生きている限り、美しいままの想い出になるでしょうね。


ぜひ、青島で、愛する人に想いを馳せてみてください^_^


※歌の解釈は、()書きの部分を除き、浅田次郎さんの 古事記(上)全訳注 を参考にさせて頂きました。






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