名は体を表す〜日向神話の神の名〜

「名は体を表す」

ということわざがあります。

名前は、その物や人の性質や実体をよく表すものであるという意です。


ところで、神話に出てくる神様の名前には、面白いものがたくさんあります。


その中で私が一番おもしろいと思う神様の名は、

初代天皇である神武天皇の父にあたる、

鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)です。


ウガヤフキアエズの父、山幸彦は、

妻である豊玉姫の出産にあたり、

鵜の羽を屋根の葺草(ふきくさ)として産屋を造るのですが、

その産屋の屋根が葺き終わらないうちに御子が産まれるのです。


そしてその御子の名を、鵜葺草葺不合(鵜のかやが葺き終わっていない)命とするのです。



“名前は、その物や人の性質や「実体」をよく表す”

「実体」とは、哲学では、さまざまに変化する現象の根底にある本質的なものを指すそうです。


命の根底である生まれたその瞬間を、

そのまま切り取ったような、鵜葺草葺不合命という名前。

確かに名は体を表しているな〜と思います^_^



そして先ほど登場した鵜葺草葺不合命の父、

山幸彦は、本来の名を火遠理命(ホオリノミコト)といいます。

三兄弟の末っ子で、兄二人の名は、火照命(ホデリノミコト)、火須勢理命(ホスセリノミコト)というのですが、

この三兄弟の名も、生まれたその時に由来があります。


三兄弟の母、木花佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ)は、戸の無い産屋に火を放ち、出産をしました。


三兄弟の名前を見ると、それぞれが生まれた瞬間の火の勢いが分かるのです。


火が照り始める時に産んだのが長男、火照命。

火が勢いよく燃える時に産んだのが次男、火須勢理命。

火が遠のいていく時に産んだのが三男、火遠理命。


名前から、過酷な出産の情景が浮かんできそうです、、、

なぜ    コノハナサクヤヒメが火中出産をしたのかは、また別の機会に^_^


カタカナで表記すると、長〜いおまじないの様に

頭に入って来ない神様の名前ですが、


漢字の名を見ると、どんなルーツを持つ神様なのか、見えてくるかもしれません(^^)










この記事が参加している募集

名前の由来

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?