コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖30(最終回)「BARTON FIN”Q”」
やっほ~!やっと最終回だ!
「やっと」は可哀想やろ。
せめて「とうとう」とか「ついに」にしとけ。
前回を未読の人は、まずコチラからどうぞ…
『ウエストワールド』を引き合いに出しての解説は面白かったよ。
ドイツ語のアナグラムもな。
オッサン、何気に教養や洞察力があるのに、こんなアホなもん書いとるから損しとるんとちゃうか?
僕って「照れ屋さん」だから、まじめなこと書こうとしても、ついついこうなっちゃうんだよね。
オッサンもうすぐ46やろ。ええ加減、年相応になれや。
ヒュルル、ヒュルル、あはは~
どうしたの?
おかえもん、大丈夫?
大丈夫や。心配とか同情とか、せんでええ。
おそらくこれが言いたかったんやろ…
お世話…サマー...
寒い…
さて、炎の中でのチャーリーとの会話が終わると、シーンは「キャピトル・ピクチャーズ」のオフィスに移る。
バートンはニューヨークの家族に長距離電話をかけていた。
連続殺人鬼チャーリーが、去り際に「NYでお前の家族に会ってきたぞ。いい人たちだった…」と言い残したもんで、気になったんだね。
そして案の定、電話は通じなかった。交換手は「回線が繋がりません」と繰り返し、バートンは不安を募らす…
あれ?この構図…
最初の舞台裏シーンと同じやんけ!
台本を握りしめてヤキモキするバートン、後ろで新聞読んでサボってる爺さん…
そして壁に飾られている映画のポスターが、芝居『魚売り』のラストシーンを表しているものなんだよね。
映画『バートン・フィンク』のLAシーンでは、いくつも「映画ポスター」が映るんだけど、すべて「聖書のどこかの場面」を描いたものなんだ。
これでもかと《三人の足》が強調されたポスターもあったもんな。
まさに「志村!うしろ、うしろ~!」状態(笑)
伯父の家に身を寄せているバートンの両親「モーリスとリリアン」とは、旧約聖書の登場人物「モーセとミリアム」のことだった。
だからチャーリーは彼らを「old folks」と呼んだんだね。
映画の中でいつもW.P.メイヒューが口ずさんでいた『OLD BLACK JOE』もそうだったけど、聖書の登場人物を「old folks」と表現することってよくあるんだ。特に黒人霊歌を元ネタにした歌には頻出する。
バートンが書き上げた「新約聖書」とは、イエスが「ヘブライ聖書」に出てくる預言者たちの預言を全て成就させたということを伝えるもの。つまりイエスによって「神との旧約」が刷新されたと宣言するものなんだね。
だから「モーリスとリリアン」は消えちゃったんだ。
ホント細部まで徹底してるな…
コーエン兄弟、まじ卍。
さて、バートンはリプニックの待つ社長室に通される。
なんでルーがいるんだ!?
あの時クビになったはずなのに!
だって「リプニック邸のプールサイド」シーンは、バートンの妄想だから。
本当に行ったのかもしれないけど、途中からの会話は完全にバートンの妄想だ。
だってリプニックが「俺たちユダヤ人の先祖は、かつて幼な子イエスに大切なことを教えられた」とか言っちゃってたからね(笑)
そうだった…
観客はバートンの妄想癖に振り回されっぱなしだな…
変態のコーエン兄弟だからね。彼らは単純な物語なんて書かないよ。
さて、リプニックはなぜか軍人の制服を着ていた…
<続きはコチラ!>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?