コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖25「あんたらマンハッタンに何しはったん?」
さて、いよいよ映画も大詰めだ。
今回の解説は「ギデオンズ聖書」と「ロス市警の刑事」の登場シーンだね。
前回を未読の方はコチラ!
前回紹介したチャーリーとバートンの会話シーンは、この映画についての「暴露大会」だった。
コーエン兄弟は「タネ明かし」になるジョークをこれでもかと連発させた。バートン・フィンクを演じるジョン・タトゥーロが噴き出しちゃうくらいに。
それでも気付かん人に向けた「究極のタネ明かし」が…
机の引き出しから出て来た「ギデオンズ聖書」だ。
もう「タネ明かし」というより「答え」だよね。
ホテルの部屋の引き出しに、いつも入ってるやつだ。
「ギデオンズ」は、ホテルや学校や軍隊や刑務所など、公共の場における聖書の無料配布が目的の団体だからね。
バートンが「盗み聞き」した時のポーズの元ネタでもあったな(笑)
そうだったね。あれは笑えた…
さて、バートンはまず『ダニエル書』を開く。
『ダニエル書』とはユダヤの国を滅ぼしたバビロニアの王ネブカドネザルと預言者ダニエルの「夢」がテーマの物語だったね。
バートンはたまたま開いたページを見て呆然とする…
ワシの見た夢を翻訳せえ。もし出来へんかったら、指どころか全身切り刻むぞワレ。己らの命より大事な幕屋も、糞溜めにブチ込んで畑の肥やしにしたる…
こわ…
W.P.メイヒューとオードリーとバートンによる「妄想ピクニック」では、W.P.の著書『ネブカドネザル』が出て来た。
さらに「manure(糞尿・肥やし)に飲み込まれる」というフレーズがキーワードだった。
そしてバートンが偶然開いたページにある「dunghill」も「糞尿・肥やし」って意味の言葉なんだよね。
だからバートンは呆然としたんだ…
なるほど!
呆然自失状態のバートンは別のページを開く。
開いた場所は『創世記』。しかしそこに書かれていたものは…
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