E136:どうせなら笑ろうて
自分で言うのもなんだが、
僕は基本的に慎重な人間である。
それなのに…
高校1年の2学期
電車が珍しく遅延して
おまけに寝不足で頭が回っていない。
そんなこんなで
授業開始20分遅れて学校に着いた。
あたふたと
教室のドアを開けた。
ドアを開けて、目立たぬように、下を向いて
自分の席に向かう。なんとなく感じる違和感。
突然、教師から声が飛んできた。
「君は一体誰ですかぁ?」
僕の知らない先生が怪訝な顔をしている。
その声をきっかけに、クラスは大爆笑。
僕は、フリーズし、呆然と教室に佇みながら、
頭の中で状況を整理していた。
あまりにも僕がその場に突っ立っているので、
助け船が来た。
「源太、源太、と、隣、隣やで、お前の教室…」
優しい奴が遠慮がちに声をかけてくれた。
「あ、ああ…ああ…ああ、すんまっせん」
頭が回ってないから、混乱しているから、
酔っ払いみたいな返しになってしまった。
結果的にさっきよりも大きな爆笑を浴びてしまった。
もう少し、頭がしっかり回転していれば
いつもの人見知りを発揮して、
きっとエライことになっていたに違いない。
ところが、この時
やっぱり頭がバグっていたのか
(いやん。大ウケしてるやん、オレ!)
ちょっとした快感だったのを覚えている。
いや、アークンじゃあるまいし…笑
「お前、オモロイなぁ…」
関西人にとって、当然「オモロイ」は褒め言葉である。
ただ、教室を間違えただけなのに。
ただ、頭が回っていなかっただけなのに。
隣のクラスにも友達が増えた。
…なんか、得した!
さて令和
鼻毛が出ていたと話題の人気モデルさん。
終了時刻を間違えて妙なところでプツリと番組が終わった関西のベテランハゲアナウンサー。
あんたモデルでしょう? とか
あんたベテランでしょ? とか
通常のその人からは考えられない「やらかし」
でも、僕は
そういうのが大好物なのかもしれない。
目くじら立てんと、楽しくいきましょう。
【66日ライラン 51日目】