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消える腰痛

腰が痛い

 12月に入ってから、今度は腰が痛くなった。
 10月には首、11月には足の甲。
 首と足の甲は良くなったものの、指先のしびれはまだ少し続いている。
 そして今回は腰痛である。
 よくまあ、カラダのあちこちが痛くなるものである。

 心当たりがないわけではない。
 ちょっと無理なことや変わったことをすると、すぐにカラダに反応が出るのは、年齢のせいなのか、カラダのサインが分かるようになった証拠なのか。
 
 まあ、腰が痛いようでは仕事にも支障が出るので、手ぬぐい帯を締めて守りながら過ごしている。
 痛いといっても動けないわけではなく、ちょっと疲れてくると痛い、という程度である。

 テニスのほうは、夢中になりすぎなければ大丈夫。
 追いつけそうもないボールを無理して追いかけるなんてプレーはちょっとダメだけど、普段の練習は少し早めに切り上げるようにしながら参加している。

きものを着ると腰痛が消える

 そんなふうに、軽い腰痛なので生活はいつも通りなのだが、仕事終わりなど疲れてくると痛くなってくる。
 そうなると手ぬぐい帯を締めていても痛いのだが、帰宅してきものを着ると楽になる。
 きものを着ている間は、腰が痛くないのだ。
 
 ただ着るだけで、腰痛が消えてしまう。
 ここがとても不思議なところだ。
 
 きものを着ると腰痛が治る、ということではない。
 きものを脱いで少し動けば、やっぱり痛い。
 
 首が痛いときにもきものを着ていたが、首には変化がなかったように思う。
 肩こりも同じだし、下手に紐を締めすぎると、逆に背中や肩は凝ってくる。

 なのに腰痛だけは、すっと消えてしまうのだ。
 楽になった、のとも違う。
 なんだか不思議な感覚である。

腰骨が重要なのかも

 腰痛といえば、市販のサポーターベルトが何種類もある。
 私も2本くらい持っていて、以前は締めていた。
 市販の腰痛サポーターは年々進化していて、最近は片手でも締められるものとか、滑車の仕組みを採用して小さな力でしっかり締められるものなど、色々出ている。
 
 私が腰痛サポーターを使わなくなったのは、ヒモトレと脱ゴムを始めたからだ。
 サポーターはゴムが使われているし、ヒモトレ脱ゴム以降そこまでひどい腰痛にならなくなった。

 要するにサポーターの必要がなくなったというのが理由だったはずだが、今回みたいにちょっと強めの腰痛になっても結局は使っていない。
 使い心地の問題なのだと思う。
 
 サポーターは締めた直後は痛い箇所をしっかりと支えてくれて心地良いのだが、動くとすぐにずれるのだ。
 私の場合、痛いのは仙骨に近い下の方なのに、サポーターがウエストまでずれてしまうとなんにもならないし、お腹まわりでガボガボとサポーターが動くのはどうにも不愉快な感覚だ。

 きものはどうだろう。
 動けばずれるのはきものを着ていても同じだ。
 私はきれいに着るのは上手じゃなく、どちらかといえばゆるっと着ている。
 帯や衿もとは、家事や昼寝をしているうちにさらに緩んでくる。
 ところが、それがあんまり気にならない。
 ゆるむことも、ずれることも、それほど不快じゃないのだ。

 腰骨に締める紐がポイントなのかもしれない。
 帯や衿がゆるゆるでも、腰紐から下はなかなか崩れない。
 男性みたいに腰骨の下で締めるようになったら、よりしっかりと崩れにくくなった。
 カラダももちろん心地よい。

 腰痛対策できものを着るなら、ゴムじゃない腰紐を、腰骨に締めるのが重要だと思う。

布と紐があればいいのか

 腰骨の出っ張りは、自分の腰をじっくり触ると左右2箇所ずつある。
 お風呂上がりに牛乳を飲むときのポーズで腰に手を当てると、腰骨のひとつめの出っ張りに触れる。
 さらに下の方に、ひとつめのよりも小さな出っ張りがある。

 腰痛対策なら、このふたつの出っ張りの間に腰紐を締めるのが楽だと思う。
 結び目は、左右どちらかの出っ張りのところにするとゴロゴロしない。
 おはしょりは長くなってしまうが、腰が楽になりカラダがしゃんとする位置はここである。

 温泉浴衣や簡単きものなど対丈で着る場合も、この位置に締めると崩れにくい気がする。
 このあたりは角帯がお気に入りになってから学習した、コツのようなものである。

 そして、現在の私の腰だが。
 簡単きものだろうが、普通のきものだろうが、自宅ではなるべくきものを着るようにしていたら、最近は腰痛がおさまってきた。
 
 きものを着ると腰痛が消える謎は結局わからないままだが、よく言われるような、帯がコルセット代わりになるといった効果ではないような気がする。
 だって、帯はそんなにきっちり締めないから。
 
 それに、湯文字と紐の組み合わせでも、腰痛が消えることも発見した。
 湯文字の場合は帯を締めていないので、帯=コルセット説では説明がつかないのだ。
 
 洋服+紐だけだと、楽にはなっても腰痛が消える感覚までにはならない。
 きもの(湯文字)という、「布」もポイントなのだろうか。
 カラダを布で包んで紐で締める、という形が重要なのだろうか。
 たしかにカラダがしゃんとして、まとまる感じはあるが。

 それにしても布と紐だけでこんなに感覚が変わるのだから、カラダと衣服の関係は奥が深い。
 謎は多いが、きものを着ると腰痛が消えることは事実で、それがつくづく不思議なのである。

 考察しようと思って書き始めたが、なんにも解明しないまま書き終えることになってしまう。
 ただ、こんなに心地よくて面白いきものというものに出会えてよかったな、着始めてよかったな、と思います。


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