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手作りは手縫いで

いろいろ作ってみた
 きもの練習を始めてから1年、同じものを毎日着るだけでも面白いのだけど、少し続けると小物が欲しくなってくる。当初私が持っていたセットは、きもの2枚と帯1本、肌襦袢と裾除けが1枚ずつ、あとは紐類だった。通販で帯を2本買ってコーデが楽しくなると、自分でも作ってみたくなった。
 ネットで作り方を調べながら、帯やヒモを自分で縫ってみた。帯は芯のない「ファブリック帯」を書籍を参考に縫い、動画を参考に「半襟ジレ」というものを縫い、それを真似して手ぬぐいシャツを縫った。余った生地で袋やヒモを縫ったりもした。今年の夏にはカット生地をつないで簡単きもの縫うことができた。本格的な和裁はできないけれど、一応きものが作れたことには満足している。この簡単きものは夏の自宅服として着て、最近では寝間着として着ている。

だいたい手縫いで
 着物関係の手作りは、直線縫いが基本だ。ただただまっすぐ縫うだけなので、時間はかかるものの作り方はシンプル。去年あたりにミシンを処分してしまったので、私の作るものは全部手縫いだ。
 もともとミシンで縫うことが得意でなかったので、なければ手で縫うだけである。決して上手とはいえないが、自分が使うものしか作らないので不揃いな縫い目もあんまり気にならない。ジグザグミシンをかけられないので布端の始末がちょっと大変だけど、それも手縫いでなんとかなると知った。折伏せ縫いや袋縫いなど、端が見えないようにする縫い方があるし、地道にかがってもいいのだ。
 
運針ってすごい
 手縫いでなんとかなるとはいえ、指ぬきの使い方が分からなかったころは大変だった。動画で調べて使い方を知ったら、並縫いのスピードが上がって縫うのが楽になった。和裁の運針はもっとすごい。和裁士の方が運針をしている動画をみると、ミシンのように早い。これ私もやってみたい、と思って、初心者向けに運針を解説している動画を探した。
 私の手縫いとの違いは、布の持ち方と動かし方、針の持ち方と進め方。和裁士さんは全然違うし全部すごいのだけど、一番違ったのは、いちいち針を抜かないことだった。運針していくと、縫ったところがギャザーみたいに寄って進まなくなるのだが、私はそこでいったん針を抜いて、また続きから縫っていた。ほんとうの運針は、そこで針を抜かない。たまった布を右(縫ってきたほう)へシャッと送るだけ。だから速いのだ。
 私もそのシャッとするのをやってみているが、なかなかスムーズにいかない。それでも針を抜かない分だけは、速くなっていると思う。
 帯などはとにかくひたすらまっすぐ縫うので、運針の練習にはちょうどいい。縫い目は全然揃わないし大きくなりがちなのだけど、いつかミシンのように速く細かく、と思って縫っている。

手縫いはお手軽
 下手ながらも運針ができるようになり、手縫いのスピードが上がった。なんといっても手縫いは準備が簡単である。極端な話、針と糸と指ぬきがあれば縫えるのだから。私はもともとミシンを出しては片付ける、といった作業や、上糸下糸をかける作業が面倒だったので、手縫いが上達するとそれらをしなくて済むから嬉しい。
 加えて手縫いは音もしないから時間を気にせずできるし、裁縫箱を持っていけば家中どこでもできる。実に手軽なのだ。それに、細かいところやカーブ、生地が何重かになっている箇所などは、以前からミシンでは上手にできなかった。手縫いでチクチクゆっくりやったほうが確実だ。これでもう少し速く縫えるようになれるなら、もうミシンいらないよね、手縫いバンザイ、という気持ちである。
 ミシンの購入は先送りにして、もうしばらくは手縫いの練習を続けたい。
 
 

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