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短歌 意訳すべてアイラブユー
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記事一覧

吐く息白くなるまでは秋

金色に光る銀杏はなぜ銀と
光の方、光の方へ

にんじん、かぼちゃ、しめじ、味噌。きのこ嫌い?
台所にある全て愛だよ

陽向にて 大丈夫よときみにすり寄る猫になる来世へ欠伸

さやを撫で やさいを茹でる やさしさや

さやを撫で やさいを茹でる やさしさや

恋したひとと電話をしたことがない
わたしの電話線は赤い

夢で死んだわたしはいまなぜ泣いている
朝ごはんのパンを焦がす

あの喫茶店を営む夫婦は素敵
ふたり あんバターのように

言葉で泣いて言葉で笑う ぼくら
言葉を紡ぐ みんな神様

西陽が照らす君の赤ランドセル
さらに光るは君のただいま

水中で踊るわたしも 水中で 笑う光も掴めない ゆめ

避暑地の今日の気温は36度
夕六時には忘る人肌

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あたたかくしてやさしいゆめを

あたたかくしてやさしいゆめを

かつて小さかったキミという言葉にときめく私たちはおとな

ささやかな愛を感じてその店を
いとおしいおいしい店と呼ぶ

弟の焦がした野菜に あ といえば
おしいおいしい も いとおしい

どこまでも続け日曜
人類の祈りへし折る月曜が来る

ガンガンのクーラーより
クリスマスの埃っぽさでくしゃみをしたい

深夜2時 後ろ髪を引く 今日 にまだ
恋をしている、このままでいい