海経由宇宙行きバス

画像1 2月下旬から3月初めのこの時期、大気は冬の時の澄んだまま温度は暖かくなってくるので、星空を眺めるのにちょうどいい。そうしていると、宇宙にスッポリ収まって海の中を漂っているような瞬間がフワッとやってくる。昨日、東日本の震災で犠牲になられた方のうち、亡くなった方と行方不明の方の数に、この3月1日で初めて1年の間、増減が無かった、というニュースを新聞で見ました。12年経って、なお冷たい海の中を漂っている人がいる。そうでなくても、「まだ終わってなんかいないんだ」と心の中で叫んでいる人がたくさんいる、と感じました。
画像2 あの日は、家の中の落下物を片付けているうち夕方になり、夜になって、私が住んでいた地域一帯が停電になっていたのですが、ごく一部の私が住むエリアは停電を免れていました。余震で眠れずテレビをつけると、陸前の海岸がけたたましく燃え盛っている様子が中継され、炎の下には車や家のがれき、樹木の他、人の群れと思しきものも映り、尋常でないことはすぐに分かりました。12年経ってもなお、冷たい海の中にいるかもしれない…と思うと、魂だけでも暖かいこの空気の中に連れ帰りたいような気持。ご冥福を祈ります。

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