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坂戸日記 2024.08.03

2024年8月3日(土)晴れ。

8月は土曜日が5回あり、午前中の水泳教室は休み。おかげで山﨑圭一『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【宗教編】』の読書会に参加できた。本も面白かったが、読書会でいろいろ話せた気がして、私には価値のある時間だった。

読書会向きの本はきっと当然あって、教科書的なものは不向きのように思う人も多いかもしれない。けれど、この『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』のシリーズはそうではないと思う。これまでに青版・黄版・紫版と今日もいれて3回読書会に参加したが、いずれの回もみんなで意外に深まった話ができたような気がする。

なんと言ってもこのシリーズは記述の深さのバランスがいいんだと思う。だから読んだ人同士で「ここ知らなかったぁ」とか「ここ面白かったよね」とか、ほんの少しだけ膨らませながら、それぞれの感想や考えを語ることができるんだと思う。

私は、かなりの《大人》と呼ばれる人が、「高校のときもう少し世界史とか勉強しておけばよかったなぁ」と思っていると信じている。

私もその一人だし、思い返せば、あのときの高校の世界史の先生は結構大事な話もしていた。だから、あのときに、もしこちらから、もう一歩踏み込んでいろいろと尋ねたら、きっと本当に面白い時間になったような気がするんだ。もったいないことをしたなと思うし、時間が取り戻せるなら戻りたい。

残念ながら、というか、当然だけど、過ぎてしまった時間を取り戻すことはできない。だからこうして世界史の教科書を何人かで読むという行為を通して、私の「申し訳なかった」という気持ちや「こうしておけばよかったなぁ」という気持ちを供養しているのかもしれない。そうすることで、ほんの少しだけだけど、なんだか浄化されていくような気さえするもの。

昼食後、なんとなくちょっとだけ韓国ドラマを見てから、午後は水泳の自主練へ。駅までのアスファルトは真夏の砂浜にいるような暑さで、往復のバス代を込みで考えるとコスパがわるい。バス代が片道280円って高すぎるよ。しかもプールの利用は2時間券なのに1時間ほどで疲れてあがってしまうのだもの。もう少し長く泳げるようになってコスパを上げたい。それが目標。

テレビでオリンピックの水泳を観ていて思うのは、これまでは結局は順位だけしか観ていなかったなということかもしれない。今回は水泳を習い始めたばかりということもあって、オリンピックの水中からの撮影に「うわ、すごく上手」と感動している。きっとスポーツの好きな人は、どんなスポーツでも、「自分がと思うと、すげぇ~」と思いながら観戦していたんだろうなぁ。いずれにせよ、解像度があがるのは、なんでも楽しいことだなと思う。

水泳のあとは一回家に帰ろうかと思っていたのだけれど、家を出るのが遅かったのそのまま隣町の映画館に行く。昨日も読書会(チェーホフ『犬を連れた奥さん』)に参加したのだけど、そのときになんとなく『ルックバック』の話になり、一緒に話していたうちの2人が「面白かった!」というので昨日のうちに予約したのだ。

隣町まで電車で行き、映画が始まるまでは少し時間があったので映画館近くの喫茶店で本を読む。クーラーがガンガンに効いていて快適だった。

『純粋理性批判』を先日読了したので、一人感想戦として御子柴さんの『自分で考える勇気 カント哲学入門』と次の読書会の課題本『千の顔をもつ英雄』上を少し読みすすめる。カントの方は「岩波ジュニア新書だから楽勝かな」と思って手に取ったのだけれど、意外に骨太で結構時間がかかっている。明日は『千の顔をもつ英雄』の方を少し優先度を上げて読もう。

劇場アニメ版の『ルックバック』は面白かった。映画館でアニメを観るのは何年ぶりだろう。おそらく子どもが小さい頃にいった『ケロロ軍曹』シリーズが最後だろう。

原作は最初にネットで配信されたときに読んで心を動かされたのだけれど、今回の劇場版もよかった。色使いや動き、その間やテンポもよかった。原作以上に感動してしまったかもしれない。

それは「誰かと話したい」という気持ちではなくて、「自分の中で反芻したい」というような気持ちと言えばいいのだろうか。何回も何回も心の中をさざ波が折り返すような感覚で、それを自分の中で繰り返し思い返したいというような、そんな不思議な気持ちだ。

映画館から出て、買っていなかった『きょうの料理』と『趣味の園芸』の8月号を映画館のあるモールの書店で買い、ドロシーに「これから帰るわ」とラインをして帰宅した。

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