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本の断捨離と引越

本の断捨離がしたいなら、引越がオススメだ。

この5年で2回引越したおかげで、本の断捨離はだいぶ進んだ。その前も「もう、いかんせん、どうにもならない」ということでダンボールに詰めて本はだいぶ売った。学生の頃の教科書の類いはほとんど残っていないし、子どもが読むかもと思い残していた文庫本やさまざまな本も、彼とは人格も好みも違うのだということに気づいたときに売ってしまった。しかし、引越が一番効果が高い。

本の所蔵容量は空間によって厳密に定義される。しかし、心はそうはいかない。無限に持てるように思ってしまう。だから本は増える。強制的な断捨離が必要となる。

しかし、それでも本は増える。増やさないようにとKindleの中にだいぶ溜め込んではいるが、それでも少しずつ増える。

本当は最初から全部電子版を出してくれればいいのにとも思う。空間という物理的限界は少し緩和される。しかし、出版社の事情もあるのだろう。本はまず紙で出て、それからややしばらくして電子版が出る。著者の意向で電子版にできないこともある。

きっと出版界・読書界ではアクセスビリティという概念が弱いのだ。自分も含めて自らのダブル・スタンダードには気づきにくい。気づいていても直せない、あるいは直さない。だからダブル・スタンダードなのだ。本が増え続けるのは私のせいではない。他責である。

それでもやっぱり所有できる紙の本の容量には限界がある。電子本もiPadの容量から溜め続けられない。結局、本の(強制的な)断捨離は必要になる。

断捨離も、慣れてくると本への未練がだんだん減ってくる。だから楽になる。抵抗感も減る。「あれ、あの本は? ああ、きっと売ってしまったんだな」という気持ちの切り替えのサイクルが加速する。

やがて、「ああ、この本はもう長いこと一緒にいるなぁ。でも、仕事の関係でこの本を読むことはもうないな」というサイクルもどんどん早くなり、日本の人口と同じようにピークを越え、減少に転じる。自宅の本は「子どもうんでんじゃね?」という勢いで増えていたが、いまや一冊あたりの増加率は0.99を切っている。

ここ5年の2回の引越で、前後に二重に置かれさらに横積みされていた本棚の本は今や一重になった。

次の目標は、そうだ、本団の隙間を増やすことだ。それも引越せずに。

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