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人と助けるとはどういうことか

PCの操作は、バスや電車でどこかへ出かけるようなものだと思う。たとえば家から新宿にいくのに複数の方法があるように操作手順も一通りではない。

新宿に行きたいのであれば、武蔵小杉を経由して東急で渋谷に出てから山手線を使う方法もあれば、南武線で登戸に出て小田急線で行くこともできる。

説明はシンプルな方が好まれる。新宿に行く方法には複数の方法がある手順が、より良い方法をと考えればかえって失敗する。

先回りしすぎてもいけない。たとえば、電車の時刻も分かった方が良いし、どの経路で行くのが早いかもわかった方が便利だが、だからと言って最初にNavitimeの説明を始めてしまうと「???」となる。場合によっては相手の逆鱗に触れる。

それらは解っていることではあるけれど陥りやすい罠だ。

逆の立場を想像してみればよい。ピアノが弾けたらいいなと家人に習うことを考えてみてほしい。逆のことが起きないだろうか。演奏家に方法を尋ねてはいけない。ピアノが弾けないから教えてほしいと言っているのに「なんで弾けないの?」とブチギレられる確率は87%(当社比)ほどだろう。

人は教えたがる生き物である。しかし、その気持ちとは裏腹に、教える側は教えられる側の気持ちを理解しにくい。

ダイエットの助言にも似ている。ダイエットの話をするとき、ダイエットとは無縁の痩せている人や運動の得意な人が、あれは良い、これはダメと、いろいろあれこれ教えてくれる。でもね、そうじゃないんだよ。それは君たちの方法であって私の方法じゃないんだ。言われたことなんて、そんなことは百も承知なのだ。

その点、石田純一が出演するダイエット番組はすごい。彼は、本心はともかく、表面的にも言葉の上でもダイエットに挑戦する女の子たちを100%無条件に受け入れて応援した感じで話をする。その子がぽっちゃり系だけど可愛いとか可愛くないとかそういうこととは関係がない。100%の応援なのだ。あれはすごいね~と我が家では話している。

だったら、ピアノも教えてくれよと心の中でつぶやくが、そういうものでもないのが人生だ。

ちなみに、私はエドガー・シャインの「人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則」という本が好きだ。この分野のとても良い本だと思う。


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