日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッションを読んで

ラジオで昨年末の今年の一冊に選出されていた本を先日、ようやく読み終わった。読んでいる途中で何度も立ち止まり、自分の中にある偏見やステレオタイプ、差別意識などを眺めたり、自身が行っているかもしれないマイクロアグレッションについて、考えたりということをしていた。

マイクロアグレッションは、日常の中でさりげなく続けられている、多くの場合は相手を傷つけようという意識なく行われる、他者に対する差別や攻撃などのことで、それは私自身、とても身に覚えるのあることばかりだった。女性として、日々の生活で小さな攻撃を受け続けることでの被害者として、そして、触れ合ったことのあまりない人々への偏見や差別意識を持つ加害者として。

日常的に意図されずに行われる小さな攻撃。その攻撃により、人は傷つき、疲弊し、無力感さえ覚えること。その攻撃が小さいゆえにその傷つきは気づかれにくく、見過ごされてしまうことも多いことにきちんと名前を付けて、それで人は害されると定義すること。とても大事なことを学んだと感じられる一冊だった。

最後の章では、心理療法におけるマイクロアグレッションも取り上げられており、この章に書かれていること、知らないうちに誰かを傷つける可能性のあることを自覚していくこと、何度もこの本を開いて、読み返していかなくてはと思えることだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?