見出し画像

切なさに心がはち切れる映画『パーマネント野ばら』

ツイッターで江口洋介さんがお好きな方に、超おすすめしてもらった映画『パーマネント野ばら』がめちゃ良かったのでレビューします。
名前からしてほんわかだけど、切なく女性の心を掴まれる映画。
これは前情報なしに、原作も読まずにまず映画を観てみるに限る!

あらすじ
ーー海辺の町に佇む“パーマネント野ばら”。そこは、離婚し一人娘を連れて出戻ったなおこ(菅野美穂)と、その母まさ子(夏木マリ)が切り盛りしている小さなパーマ屋さん。町の女たちはここに集っては、甲斐性なしの男たちへの不満やグチをぶちまけ合う。なおこの2人の友だち、みっちゃん(小池栄子)とともちゃん(池脇千鶴)も男運は最悪。そんな中、高校教師のカシマ(江口洋介)との静かな恋を大切に育むなおこだったが…。ーー

ストーリーが紡がれていくというより、一人一人の物語の断片を見させられてる感じ。西原理恵子先生原作だし、その方が流れがしっくり来るのかもしれないけど。

西原先生出身の高知県が舞台。
高知県の港町(ロケは宿毛市など)で、時間の流れがゆっくりなんだけど、女たちがたくましく必死に生きる様子が描かれている。

がっつりパンチパーマをあててるおばさん3人が良いキャラしていて、下ネタの嵐。その中だからこそ菅野美穂演じるなおこのピュアな恋が引き立てられてる。なおことカシマの秘密の恋に、矛盾を感じつつキュンキュンしまくるんだけど、最後らへんの1分半で一気に切なくなる映画。

ーーー以下ネタバレーーー

いくつか印象に残るシーンをば。

なおこの幼少期が描かれるシーンで、まだ若き母のまさ子(霧島れいか)が新しいお父ちゃん(ムロツヨシ)と一緒に軽トラにのり、転校・お引越しするところ。新しいお父ちゃんも子連れは嫌だし、なおこも嫌。なおこは走っている車から飛び出してしまう。それで新しいお父ちゃんとは破談に。

なおこが母に言う、「うちがおるき、ええやろ?」が母に甘える娘の心情が出てて切ない。
ムロツヨシも出番すごく短いのに間合いとか目線とかキャラ濃すぎる…「大洗にも星はふるなり」の翌年の作品か…

ーー

カシマがなおこを学校から見送るシーン。去り際になおこがカシマの手を噛むんだけど、原作では「ゆるしてね」の合図らしい。何をゆるして、なんだろう…

ーー

ともちゃん(池脇千鶴)の旦那が死んで、形見を埋めるシーン。「人は二度死ぬがよと。1回目は生きるのがやまってしまうとき。2回目は、人に忘れられるときよ。」と。「忘れんぼやなあ、なおちゃんも」と言う人間の包容力とかあったかさがある。ともちゃんが一番高知弁がしっくりきたなあ。

ーー

最後の回想のシーン…これはもう、何も言えない… 高校生のなおこ(平田伊梨亜)と、カシマのやり取りがピュアすぎて…そして1分半ほどの挿入曲、「秘密」(福原まり作曲)も切なさと急激な展開を情熱的に表してるんだよなあ…
高校の時、『先生!』という漫画を読んで、登場人物の心情にめちゃきゅんきゅんしまくっていたわたしは、一気に心奪われてしまった。。この漫画を読んだことがある人はぜひ観るべし。

カシマが乗ってたVolkswagenのビートルが可愛い。
あれは1970年代製じゃろか…
高校の先生にあんなんいたら間違いなく惚れる。

出演者※

菅野美穂ーなおこ
小池栄子ーみっちゃん
池脇千鶴ーともちゃん
江口洋介ーカシマ
夏木マリーまさ子(なおこの母)
宇崎竜童ー(ニューお父ちゃん)
本田博太郎ー(みっちゃんの父)
加藤虎ノ介ーヒサシ(みっちゃんの夫)
山本浩司ーユウジ(ともちゃんの夫)
ムロツヨシー(若い頃のまさ子の彼氏)
霧島れいかー(若い頃のまさ子)
汐見ゆかりー?(みっちゃんの夫と浮気するパブのキャスト?)
田村泰二郎ー?(おばちゃんにはたき込みされた人?)
畠山紬ーもも(なおこの娘)
佐々木りおー?(なおこの幼少期?)
佐藤麻里絵ー?
木村彩由実ー(ともちゃん幼少期?)
平田伊梨亜ー(なおこの高校生時代)
町野あかりー(パンチパーマのおばちゃん)
ミヤ蝶美ー(パンチパーマのおばちゃん)
嶺はるかー(パンチパーマのおばちゃん)
※違う所があればご指摘お願いします!

関連ページ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?