題材と文章のギャップを感じた本

私がよく足を運ぶ街に、お気に入りの古本屋がある。先日訪れた際に、触れた瞬間に読みたくなった本(!)と出会えたので買ってみた。

『推し、燃ゆ』宇佐見りん

10代の女の子が主人公で、「推しくん」、インターネット上の推し仲間、リアルな世界の友人、本人の家族たちとの話。一つ一つの描写がとても丁寧でリアル。するすると引き込まれた。

主人公は、SNSやブログ、インスタなど現代にありふれた世界の中で推しを推していく。推しと言っても、この世の中には様々なジャンルがある。本人と繋がれる世界線から、自分は絶対に認知されない世界線まで幅広い。私はジャニーズファンであるが感想などを発信するようなSNSは持っておらず、お茶の間ファンに毛が生えた程度かもしれない。それでも程よく楽しめている。主人公は推しに対し真剣でまっすぐで深い眼差しを向けており、情熱的で、その心の揺れ動きが興味深く感じた。また、日常生活とのギャップも面白かった。

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