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ネットの「◯◯人は」は8割引きでお願いします

 一般的な個人ブログなどにも当てはまりますが、特に海外在住者のnote記事について、気をつけるべきポイントです。単純で大事な基本ほど忘れてしまいがちなので、何度でも確認しましょう

個人のnote記事を読むときは......

 よくnote記事などで、海外在住の人が、「アメリカは」とか、「中国の会社は」とか、「○○人は」と書くことがあります。しかし、よほど社会全体を俯瞰して、体系的かつ分析的に見ないと全体像は掴めません。

 もちろん中にはそういう人もいるかもしれません。しかしnote記事の大半は個人が書いていて、綿密な調査や編集作業などがない。推敲せずに、パパッと時間をかけずに書いたであろうものがほとんどです。敢えて強くいうと、私も含めてほとんどの記事は素人による、バイアスだらけの“低品質”な情報です(後で弁解します)。その人の社会的属性やコミュニティー、住んでる場所や出歩く場所、その人のマインドの影響を受け、そのまま垂れ流されたものが多いからです。

 良識のある方はそういった注意を促したり、ミスリードしないように工夫されていますが、毎回書くとしつこいので、つい手薄になりがちです。そしていつもそういった情報に触れていると、どうしても気がつかないうちに、それが全体を代表しているかのように思い込んでしまいます。しかしそもそも個人記事かどうかに関わらず、バイアスフリーな情報なんてないです。本来は書き手が十分に気をつけるべきですが、読み手も気をつけて欲しいところです。

具体的には?

 気をつける上で一番有効なのは、プロフィールなどを調べることだと思います。それがある程度わかるような文章であれば、それだけでもいいと思います。さらにその人がどういう範囲でそれを言っているのか、あるいはどの程度の経験に基づいているのかを具体的に書いていれば、なお良心的だと思います。

 明らかにその人の守備範囲外のことまでなんでも知ってるように、あまりに断定的に一般化しているようなものは最初から警戒して読まない、もしくは心の中で強力なバリアを張ってから読むのも手だと思います。これはフォロワー数やいかなる肩書きにも関わらずです。

 もう一つ気をつけたいのは、その人が事実を書いているのか、感想を述べているのかに敏感になることだと思います。noteは論文ではないので、私も事実や思ったことを自由に書いています。できるだけどちらなのかを明示したり分けて書いたりしていますが、気をつけて読まないと勘違いしてしまいます。

それでもnote記事には価値がある

 しかしそれでもnoteでの、特に海外情報にはかなり高い価値があると思います。社会の状況が激しく変わっていく中で、より市井に根ざした生の情報タイムリーに知る事ができます。生活が長くて中国語を喋れる情報通の方であれば、現地生活に溶け込まないとわからない細かいニュアンスを翻訳してくれます。

 あるいは組織や営利団体特有のバイアス、政治的バイアスなどは個人の裁量に任されるため、マスメディアとは違う性格を持つはずです。結局バイアスからは逃れられませんが、少なくともマスメディアとは違う選択肢や視点を増やしてくれるのは間違いないです。また、日本人として日本で生活している以上、精神的になかなか逃れられないバイアスも少ないと思います。そういった人たちの生活を通して外国の中を覗けるのは、note記事ならではだと思います。

 note記事を読んでいるうちに、どうしてもそれが全てだと思い込んでしまいがちだ、と書きましたが、それはニュースなどでも同じです。むしろ、商業的な側面をもち、政府の影響を受けやすいテレビ番組の方が、画一的なステレオタイプの型に流し込んで、思考停止した情報を流しているのではないかと感じることもよくあります(なので正直、全部ではないですが、安っぽい討論番組やワイドショーはあまり好きではありません)。

まとめ

 大事なのは、いろんな人から見た生の情報がたくさんあり、それらを私たち一人一人が賢く選択できることだと思います。そういう意味で、これからもいろんな人が、もっといろんなことを書いてくれることを期待しています。

 同時に、知らず知らずのうちに、note記事にせよニュースにせよ、特定の情報を一般化してしまわないように、常に気をつけたいところです。本記事の投稿後に、前日に投稿された記事で認知の歪みとしての「過度の一般化」というものが紹介されていたので、こちらで引用させてもらいます。

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