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医療職は勇気をくじく専門家?

今回のnoteは 人材育成 に関してです。

もくじ
1.原因思考
2.勇気くじき
3.夢を叶える専門家になろう!

1.原因思考

理学療法士の思考過程の中に、「問題点→ゴール→プログラム」というのがあります。理学療法士は病気やケガでその人がその人らしく生活出来ない時、解剖・生理・運動学・精神心理・などの基礎学問を元に、運動や姿勢という視点から、何故日常生活が送れないのか?その原因は何か?痛みがあるからなのか?何故痛いのか?など考えます。現象に対する原因を探ります。医師の診察と似ています。問診・視診・触診を通じ、症状や現状を把握し、各種データを観察し、分析し、最善の理学療法プログラムを立案します。この一連の流れは同業者の作業療法士も言語聴覚療法士も同様。看護も他の医療従事者もある程度同様であると言えます。この一連の思考過程を学校で学び、臨床実習においては具体的且つ徹底的に学習を深めていくのです。
なぜそうなっているのか?原因はなんなのか?を考えるプロフェッショナルに育成されます。

職場内教育では、だから問題が生じるのです。人材育成においての盲点です。

学生や後輩が出来ないこと、失敗したことを、「なんで!なんで!?」って必要以上に責めてませんか?

2.勇気くじき

40~50代の方々は、スポーツ根性的な論理で育ってきたかもしれません。意味もなく怒られる。とにかく理不尽。そんな中でもとにかく生きる道や意味を探します。そうやって育ってきた人はそれが当たり前ですから、そうやって指導しようとします。逆に言うと、そういう指導しか出来ないかもしれません。悲しい性というものでしょうか…

●永藤かおる著 岩井俊憲監修:図解 勇気の心理学 アドラー超入門 2017

この本にはこのような事が書かれていました。身近にこういう人はいませんか?

悲観的でマイナス思考の言葉を発する:どうせこの先ロクなことないし…
恐怖で動機づけする:明日までにレポート掛けなかったら実習不可だぞ!
聴き下手である:1つ聞いて10しゃべっちゃうような人
原因思考な人:あのときなんで失敗したんだ!
皮肉っぽい人:結構頭いいと思ってたのにつまらないミスするんだね…
重箱の隅をつつく人:掃除してくれたのはいいけどまだここにごみ落ちてるよ…

医療従事者のみならず、上司と名の付く人にこのような傾向の人いませんか?結構いるのではないでしょうか?何故なら自分もばっちりあてはまります。全て該当しました。だからダメでした。多くの後輩たちを傷つけたと、今強く反省しています。

勇気をくじく先輩や上司になってはいけません。私のように…

3.夢を叶える専門家になろう!

専門家って、その道の学問を習得し、専門的な知識や技術を駆使して業務にあたることだと思います。だから専門家なのです。しかし、人材育成の分野になると、何故かこの専門家としての理論をそのまま使用してしまう人がいます。先ほども述べましたが、だから問題が生じるのです。

私達は患者さんや利用者の「夢を叶える」という視点での専門家であると言い換えることもできます。とするなら、学生指導や後輩指導においても、学習者の「夢を叶える」ことを手伝える専門家になれるはずです。この視点で考えれば、原因思考より未来志向の「目的論」で落とし込むことが出来ます。何故できないの?なんで!なんで!?と問い詰めるより、どうしたら出来るようになるか一緒に考えよう!ってスタンスが良いですよね。

医療職って間違いがあってはいけません。だからこそ間違いがあったときは原因追及をします。でも私達は取り調べを行う刑事ではありません。事実の確認だけでいいのです。そこに感情は無くていいのです。間違いを起こしてしまった当事者の感情には寄り添い、共感するスタンスが良いと思いますね。問題は再発防止にどう役立てるかを検討すべきなので、必要以上な粗探しや、問題のすり替えや、過去の話題の繰り返し等は一切不要です。原因追及で「勇気くじき」をするより、未来志向で「夢を叶える専門家」になりましょう。これは本当に難しいですよ。簡単ではないです。

私はそんな 夢を叶える理学療法士 になりたいのです。

#理学療法士 #アドラー心理学 #勇気くじき #医療職 #上司