８月４日㈰～８月８日㈭　いろんな人生がそれぞれにあって、どの人生も軽視されていいわけない

８月４日㈰
・ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
　２０歳の同僚の人、映画に出演したりしてるらしい。すごい。
　外国人の少年に英語で話しかけられ、全くわからずパニくってしまう。
　向こうからしたら、海を越えてはるばる日本まで来て、パッと見アラブ人みたいな顔つきの清掃員だから英語くらい喋れるだろうと「新しいシーツをください」って言っただけなのに、三十路過ぎのアラブ顔おじさんが挙動不審な言動を繰り返した挙句立ち尽くしてしまい、異国の狭い客室で不審者おじさんと２人きりになる、というとてつもないトラウマを与えてしまった。
　帰りの電車で英会話教室の体験入会を申し込む。

８月５日㈪
・前の職場の同僚から連絡が来て、急遽花火大会を観に行くことになる。
　会場へ着いたらロードオブザリングの最終決戦くらい人が密集していて、人がいすぎてなのかスマホが完全に不通になってしまい、合流できず、そのまま花火は打ちあがり、四方八方を１０代のカップルたちに囲まれた状態で、３１歳のおじさんが一人で花火を見上げました。綺麗でした。

８月６日㈫
・毎週のように歩いている道を一本だけ奥に入った道を歩いてみたら、暴力団組長の自宅があった。

８月７日㈬
・以前、人見知り克服強化月間と称していろんな交流会とかカフェ会に行きまくって、３０人くらいと知り合ってLINEを交換し、結果的に何かしらの勧誘（宗教、マルチ商法、仮想通貨、投資、スピリチュアル、健康食品、等々）を２９人がしてきたのですが、残りの１人から連絡が来て、絶対勧誘されるんだろうなと思いながらも、会うことに。

　場所はこちらが決めることになったので、絶対勧誘されるんだろうなと思ったので、勧誘しやすそうなところがいいだろうということでルノアールにする。

　ちなみに今日私は誕生日なので、誕生日に何をしているんだろうと思いつつ、３２歳にもなるとマジで誕生日って完全なる平日になるんだな、ということに気付いて、誕生日が一世一代の大イベントであった小学生くらいの頃の感情が底を尽きていることに一抹の淋しさを感じる。

　夏木マリを圧を強くした感じの高齢の女性で、なんやかや盛り上がって２時間くらい会話する。
　いい人だった。
　勧誘はされた。

８月８日㈭
・ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
　月曜日に、「今度飲み会をやるので、出席する人はここに名前を書いてください」と事務室に紙が貼りだされたので、名前を書いてから退勤した。
　で、２日ぶりに出勤してみたら、私１人しか名前を書いていなかった。
　朝礼でチーフが「飲み会の出席表、名前書いてくださいねー。是非参加してくださーい」と呼び掛けるも、仕事終わりに事務室へ行ったらまだ出席者は私一人。
　誰かがタイムカードを押すたびに機械のとなりにいる事務員さんが「〇〇さん、飲み会行きませんか？いま、名前書いてるのが往生際さんだけで」「飲み会行きましょーよ、今のところ往生際さん１人になっててー」と熱心に勧誘してくれていて、その声がカーテン一枚隔てたロッカー室で着替えている私にも聞こえてきて、涙が流れそうになる。