弁護士も検察官も裁判官もみんなで発する謎の言葉「嘘サイレン」。流行においていかれるな 傍聴小景 #98
初めて裁判傍聴される方で割と面食らいやすいのが、関係者の方たちが真面目な顔であんま言わない言葉を発してくれることでしょう。わいせつや性交絡みの裁判だと顕著です。
他にも妄想癖がある人や、それを装って変わったことを言っている人に対し、それを真面目な顔で掘り下げている様子などもよく見ます。その世界観についていく大変さを感じつつ、聞いたことない用語を繰り返す様なんかは、異次元に入り込んだようで不思議な時間を過ごすことになるのです。
はじめに ~公務執行妨害だと警官を浮かべがちだけど~
眼光するどい被告人さん。お仕事は個人で設計の仕事をされているらしく、確かに職人気質というか、一人で頑張ってますという感じが伝わる方。
公務執行妨害と器物損壊という罪名を聞くとイメージしやすいのが、警官に対して熱くなってパトカーを凹ませるといった態様ですかね。そんなの、どうやっても逮捕まっしぐらなのに、どうして…と思ってしまいます。
もちろん予想と違うことが大半ですが、今回のはそんなに遠からずという感じで。
事件の概要(起訴状の要約)
パトカーでなく救急車でした。惜しい。
それにしても、救急車の前に立って止めて、凹ませるってどういう状況でしょうか。その救急車、ちょっと待った~!ってことでしょうか。詳しい事情が気になるところです。
採用された証拠類 ~救急車が嫌がらせをしてくる?~
ご近所の生活音が自分への嫌がらせではないかという主張は聞いたことありますが、国をあげてこの人へ嫌がらせをするという主張は、ちょっと精神的に来ている部分あるなと感じますよね。
でも、特にそういう点での弁護側立証などはありませんでした。何をさらりと先に進めようとしているんだと思いました。
見た感じなどでは、そのあたり感じ取れなかったのでわからないものですね。
被告人質問 ~被告人から「バカ」という言葉を引き出す弁護人~
弁護人からは、被告人が逮捕勾留中(裁判中もなお勾留中)に作成した反省の様子などを記したメモを請求。
採用されたものの、裁判官からは「メモ見たけど、本当に反省しているの?」と言われる始末。独自の主張を勾留中も強く持っているようでした。
被告人質問によると、15年ほど前から周囲から嫌がらせを受けている(と思っている)。
自分は先祖から100年以上前から同じ場所に住んでいるが、家の周りに商業施設など建ったことで、環境が変わってしまった。そこから、夜中でも大声を出されたり、車の空ぶかし、ドアをわざと大きな音を立てて閉められる被害にあったとのこと。
この音の有無について、真相はわかりようはないのですが、例えば立ち退きを要求されているとか、近隣とトラブっているとか、そういう情報は一切出てこないので、嫌がらせされているの主張が謎なんですよね。というか、この被告人の家だけが嫌がらせの対象になるはずもないし。
市にも相談したが、張り紙一枚で終わってしまい、なおも音は継続。その対抗策として、自らが大きな音を出したり、姿を見せることによって、人が住んでいるんだぞということをアピールするようになったのだそう。
自らが音源となり、周囲に迷惑かけてどないすんねん。
被害について話していたはずなのに、自らの逮捕の経緯を話すことになっていた被告人。その後も永遠と昔話を続けるので、裁判官から今回の事件の話をするように促されてしまいました。
何であえて言わせる必要あんだよwww
ってか、どうしてこの問答で精神の不安定さを疑わないのか不思議でなりません。逆に考えると、精神不調の立証というのは相当に難しいということなのでしょうか。僕もなかなか認められているのは見ませんが、争わないのはまた違うとは思うんですけどね。
まだまだ被告人ワールドは止まりません。
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