医者になるなら自身の性癖直してからで（準強制わいせつ）　傍聴小景#45

悲しいかな、ふとした日常においても事件の可能性というのは常に潜んでいるもんで。
ちょっとコンビニ行くつもりでも、道路には車が走っているし、店内の客のゴタゴタに巻き込まれるかもしれない。家でまったりしていても、家電製品や食品になにか不備があるかもしれないし、ご近所トラブルに巻き込まれるかもしれないし。
そんな可能性全てにビクビクしていたら、とても生きていけないけど、事件ってのはどこででも起きうるんだなと感じた今日の話。

はじめに　〜"準”強制わいせつ？〜

罪名　：準強制わいせつ
被告人：20代の男性
傍聴席：10人（2回）

あまり聞き慣れない言葉かと思います、「準強制わいせつ」。
多くの人が「準」と聞くと、「ちょっとだけ」と思われるようですが、
「心神喪失又は抗拒不能となった人に対して行う行為」、つまりはお酒飲み過ぎて判断能力なくなっているであったり、眠っている人に対しての犯行です。
なので別に「準」とついていても罪が軽いわけではなく、強制わいせつと同等なんです。抵抗する人に無理やりというのが悪質性が高いのはもちろんですが、寝てて抵抗できない間にというのは精神的ショックは計り知れませんので、罪の重さが同等というのも納得です。

事件の概要（起訴状の要約）　

被告人は、予備校の自習室において、仮眠をしていた17歳の女性に対して、服の上から胸を揉む、陰部に指を当てるといったわいせつ行為を行った。

わいせつ行為に対する腹立だしさはもちろんなんですが、予備校の自習室が犯行現場になっていて、そちらの方が最初驚きました。実際の起訴状を読まれる場面では「自習室」としか表現されておらず、理解に苦しみました。
僕は、地元の町塾みたいなところしか通ったことがなく、予備校ってものの雰囲気が全くわからないんですが、そこで犯行を行う大胆さにも驚かされます。