裁判の判決ばっか集めちゃいました(2月版) 傍聴小景 #58
刑事裁判の進行には大きく分けて以下の3種類あります。
つまりは、裁判の途中の様子は全然わからないけど、「判決」の部分だけ傍聴するのことができるのです。多くの裁判が判決だけなら5分~10分程度で終了します。
そこだけ見ても…とお思いかもしれませんが、どうしてその判決を下すにいたったかの理由を説明するに際し、事件の内容はおおまかに説明するので(裁判官によっては割愛しますが)、短期間で事件内容に多く触れるという意味では結構勉強になるのです。
という訳で、「なんで?」という疑問は残るものもありますが、判決のみ裁判特集です。
No.20 手加減を知る男
被告人は同じアパートの住民が被告人の金銭を盗んでいると思い込み、バットで襲いかかってその真偽を確かめようとした疑い。うん、意味が分からない。仮に死んでしまったらどうするつもりだったのか。
傷害事件なので、被害者はケガを負ってしまったのだけど、全治8日間だったとのこと。金銭を盗んだのかちゃんと聞き出せるように、手加減して殴ったのでしょうか。
ケガが軽微だったことや、初犯ということもあり執行猶予がつきました。
バットで殴りつけるっていう発想する60代が初犯なの!?ってことに一番驚きましたが、それほど怒っていたということなんですかね。
ってか、老人宅にバットなんて普通ねぇだろ。
No.21 まさに大胆そのものな男
被告人はスーパーの前に落ちていたレシートを拾って、そこに書かれている商品と同じものを売場から持ち出し、返品であると申し出て返金を騙し取った疑い。同じ日に同じ店で同じ店員に再度行うという愚行により、犯行が発覚しました。
ビールの6本缶を返品しようとしたらしいんだけど、6本缶を買ったはいいけどいらなくなるケースが想定できないから、店も拒否っていい気がする。僕も学生時代バイトでレジとか打ってたけど、そんなとき来たらどう対応してたかな…。
前科もあり、犯行対応も大胆で悪質ってことで実刑に。
まぁ確かに大胆よな。その様子を防犯カメラで見てみたい気がする。「なんだ、この爺さんキョロキョロして怪しいな。お酒売り場で6本缶を手に取って……返品の交渉してるー!!」ってバックヤードで衝撃を受けたい。
No.22 大赤字な男
被告人は中古買取屋にダイヤ付の指輪を鑑定してもらい、それが20万円の買取価格が出たあと、店員の目を盗んで似た指輪の価値0円のものと取り換えた疑い。なんとか1回は成功したものの、別の店で同じ手口に及んだところ、今度は店主に看破され通報されることに。
2回目でバレちゃったけど、少なくとも何度も繰り返すつもりだったんでしょうね。ってことは被告人のバックか、家には大量の0円相当の指輪が用意されていたのかな。最初は、その指輪1つ1つが20万円に化けるってウッキウキだったんだろうなぁ。今じゃただの不良在庫だけど。
この犯行のために、被告人は50万円の指輪を買ったという計画性なども刑期に影響。実刑ギリギリの思ったより重めの罪でした。被害額を超える弁償をしたことがギリ執行猶予をゲットした要因っぽい。
ってか、50万の出費して、それに見合う詐欺が出来ず、かつ被害弁償までしてって、この人はホント異質な形で日本経済を回してしまいましたね。悪いことしてお金を稼ごうとしてはいけないといういい例です。
No.23 意外な価値に気付いている男
被告人はスーパーの売り場から、ガム1箱を窃取した疑い。
ガム1箱ってのが、段ボール単位なのか、どういう単位なのかわからなかったのですが、被害額は8,200円というのだから、それなりの物量だとわかります。
しかも、目的は転売だったとのことこと。ガムの転売って聞いたことがない…。転売先で買い取ってくれる価値があるとわかっている人でないとなかなか思い浮かばない犯行ですよね。
前科はあるようですが、それなりに古いということで執行猶予がつきました。
言い方悪いけど、ガム1個をポッケに入れて万引きするのは画と想像つくけど、8,200円相当のガムをどうやって怪しまれずに盗み出すつもりだったんだろう。堂々としていたらバレないと思ったのかな…。
そんな訳で、今月の判決特集でした。
今回の記事の内容は動画にもしていますので、こちらも併せてご覧ください。
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