逃げる被害者に「居場所見つけるのに探偵雇ったから、探偵代払え」あの手この手で総額2,000万円を毟り取った男 傍聴小景 #124(住居侵入)
被告人の再犯防止には、どうしてもご家族の監督への期待というのは高いものです。ましてや被告人が若年の場合、その求めは大きくなります。
しかしその一方で、成人を迎えた被告人の監督をどこまですべきかという問題などもあります。
一様に答えが出るものではないので、この点は都度検討が必要であるのですが、上記からさらに第三の意見として、「もうご家族には手に負えないから切り離してあげて」と思うような事例もあったりするもので。
はじめに ~住居に入っただけで何の罪に?~
被告人は見た目、ややイカつい感じのお兄さん。例えるなら、芸人のみやぞんの目つきを悪くしたような感じの方。
過去にも触れたことが多分ありますが、この「住居侵入」のみという罪名は意外と要チェック。
窃盗やわいせつ行為などとセットになることが多い中で、この侵入罪のみで裁判にかけられているというのは、侵入の事情や態様に珍しさがあることが多いのです。
事件の概要(起訴状の要約)
別々に住む家族の住居に侵入したという事案でした。これは珍しい、他人の家という事例しか見たことなかったので。
しかし、その入り方を見るに、招かれざる扱いをされていることは明白ですね。そうなると後は入った理由が気になるところです。わざわざ屋根づたいに家に侵入するなんて、なかなかの執念です。
上記には記載していませんが、真昼間の犯行です。僕がもし、昼間に屋根に登っている人を見たらどんなリアクションになるのか、ちょっと想像できません。
採用された証拠類 ~「探偵代を払え」~
弁護人も取調べに同意しているので、本当にあったことなのでしょう。
家族、親戚から合計2,000万円も借りてるってすごいですね。まぁご家族にとっては貸しているつもりなのでしょうが、まず返ってこないでしょう。
そして、戸籍を調べるわ、GPSを設置するわ、タンスをあさるわと、その行動力をもっと別の方向に活かしていただきたいものです。まるで探偵です。
探偵と書いていて思い出したのですが、今回の事件以前に、父と接触したときには「探偵を雇って居場所を突き止めた。探偵代70万払え」と言ったこともあるそうです。
なお、探偵を雇った事実はなく、単に70万円をぶんどろうとした行動だそうです。
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