ギター1本だけ残してた過去の自分にありがとうな話

2021年5月18日 12:03

こんばんは。
4年ぶりにギター弾いておうち時間が充実している元岡です。(緊急事態宣言のお陰で撮影出来ないのは残念)

本日は過去の自分の判断ありがとうってお話です。

ざっくり読みたい人向け
借金抱えた時色んな物を売った
大事なギター1本だけ残してた
録音機材やペダルも残ってた
だから４年ぶりにギター弾くことが出来た
借金に苦しんだろうけど過去の自分よありがとう
的な話です。

ギター2本とアンプ1台を売った日

12歳からギター始めて音楽専門学校行ったりバンド組んだり曲作ったりと長い事自分なりに音楽楽しんでたのてすが、ボーカロイドで作った曲をネット上で公開した頃に歌詞が浮かばない、曲のパターンが浮かばないという状態になりました。
新しく曲が作れなかったので今ある曲に実写ＭＶを付けたら良いんじゃない？と思い、今も使ってるカメラSONYのa7S2を購入しました。
そこから色々ありましてMV作るより写真撮るのが楽しくてしかたなくて音楽の事はいつの間にか忘れて写真撮りまくって調子に乗って専業のフリーカメラマンになったんですね。

まぁ好き勝手写真撮ってた人間が調子に乗って写真を仕事にしちゃったわけなのでもちろん長続きするはずもなく10ヶ月で廃業しました。

この時に僕はギター2本とアンプ1台をネットオークションやリサイクルショップへ売りに行きました。
精神的にもおかしな事になってたので次の仕事を早く決めなきゃなのに全然決めようとせずただ寝て食って寝る的な状態が2ヶ月程ありました。う○こ製造機時代と僕は呼んでいます。

そんなうん○製造機な僕はそれでも作品撮りは辞めませんでした。やる事無かった(仕事探せ)ので写真しかする事なかったし、すがりたかったんだと思います。
無収入なのに作品撮りのために動き回る。お金どんどん無くなります。高額で売れそうな物はあとひとつだけ。とても思い入れの強い1本のギター。

Gibson custom shop 2003 Lespaul 57Re BZF

このボロボロのギターは20代半ば(10年くらい前)に購入した物で、買ってすぐにドライヤーとエアダスターを使ってわざと塗装部に亀裂を発生させたものです。

ギターをあえて傷つけた理由

エイジド加工ってものがありまして、職人さんが色んな方法で新品のギターをあえてビンテージギターの風貌に仕上げるためにわざと傷や亀裂など加える加工を施すんです。

このエイジド加工されたギターってまぁ高いのなんの。とても買えません。

僕がギターに傷を付けたのはエイジド加工のためではなくて、金欠になった時でも絶対にオークションやリサイクルショップに売りに行っても高額買取してもらえなくするためでした。

僕はギターを売れば新しいギターを買い、新しいギター欲しくなったらまた売る。みたいなサイクルに陥った事があって、でもこのギターは絶対に死ぬまで弾くぞ！と決めて購入したので売りたく無い。
でもまたどうせ売りに出しそうな雰囲気あるよな俺笑。っていうのも否定できないし、そうだやりすぎたエイジド加工を自分でやっちゃえば売りたくても売れないはずだ！！と閃いて勢いでやっちゃったんです。

そら音楽仲間からは避難ごうごうでしたよ。
楽器をもっと大切にしろ！！！
ギター弾く資格ない！！！
サイテー！！！！！
モッタイナイ！！！！
そんな事するお前がダサい！！！！

ごもっともです。
その数年後に

ギターを売らずに消費者金融へ

僕はこの傷だらけのギターを売る事なく消費者金融へ走り、借金しました。
生活苦で借金するとはなんともいたたまれない気持ちでしたが、なんとかギター売らずに済んだんです。

そして次の日から仕事探し始めたんです。
早く仕事見つけないとこのギターも売らなきゃいけなくなるかもしれない。絶対に嫌だった。

無事に介護士に復帰して、写真を続けて写真展や写真集も作りました。
そして誰もが予想しなかったコロナがやってきます。

僕は第一波も驚いたし不安でしたが第二波第三波が来たときにもうこれはいよいよ元の生活には戻れないんじゃないかな？と強く感じるようになってました。

緊急事態宣言が無いにしても心のどこかで不安を抱えながら撮影する。宣言が出たらそれに従うしかない。

こんな時期に県を跨いで撮影に出掛けるなんて避けたいし。県内だからってもう安心はできなくなってきた。

おうち時間が嫌でも増える

ならもうおうち時間で何が出来るか？考えるしかないですよね。
そういえば売ってないギター1本あったよなって。でも今更弾いても4年弾いてないんだぜ？弾けないよもう...なんて弱気になったり、でもやりたい...と思考は行ったり来たり...

あっ俺今年で36になるのか！
アラフォーじゃん

って思った瞬間に30代の内にやり残した事は全部やろう！ってなんだか思えたんですよね。

やり残した事

音楽の夢にケジメをつける事

30で始めた写真を「好きだ」と言ってくれた人が居て気付かされた事があります。「好き」は貫いて良いんだということ。
結果がどうであれ「好き」を貫く事が出来たらそれはとても価値のある事だということ。

30〜35まで写真でガムシャラに好きを貫いて来たつもりです。そしてこれからも写真で好きを貫くつもりです。

そこに音楽もこれから加えて、10代からの夢にしっかりとケジメつけたいなって思ったんです。
ケジメって何？音楽を好き放題やる。好きな音楽をやる。好きな人と音楽をやる。音楽を好きと言ってくれる人に会う。これまでの写真活動と同じ様に色んな「好き」を循環出来るかもしれない。
やってみたいし、体験してみたい。ほんとに出来るのか？出来たらどんな気持ちになるのか？その次は何がやりたくなるのか？それによって写真にどんな変化が加わるのか？

絶対に写真は辞めないです。撮影出来る状況になればまた撮影します。写真活動は僕にとって欠かせない生活の一部です。

ここにギター·音楽を加えられたのはあの時にギターを傷だらけにした過去の僕の判断のお陰なんです。
お前の読み通り俺は人生最大の金欠になったよ30超えて。

お前がギターボロボロにしてなかったらきっと売ってた。うん、だってこれ高く売れるもん綺麗だったら。

ほんとならそんな人生最大の金欠なんて状況にならなくて済む大人になりたかったけど無理だったわ！色々失敗しちゃったんだよ。ごめんね。
でもありがとう。お前のお陰でまたギターが弾けるんだ。嬉しいよ。お前のお陰で写真も楽しめてるのにギターもやっていいのね。もう俺オッサンになっちゃったけど頑張ってみていいかな？でも頑張るオッサンてさ、カッコいいよねきっと。お前もそう思うタイプの人間だったよね？