「シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント」読書感想文
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でもお金を出して読んで損のない本ではあった。具体的にやりたいことがある人、既にやっている人向けで、「富を得るためにこれから自分は何をしたらいいだろう?」という人は、まあまずは何かやってみて、うまくいかなかった時に読むのでいいと思う。
富とお金をちゃんと分けているのも良かった。お金は「狭いゲーム」だとはっきり言ってもらえるのは、気が楽になる人もいると思う。著者のような勝者・強者じゃなくても、どのゲームに軸を置くのかは選べる。
Twitterなどを元にした、断片的な警句や金言が載っているけれど、個人的にはストーリーをもった語りの方が印象に残っている(「運の分類」とか)もっともこれは、自分の年齢的なことがあるのかもしれない。
後半は身体に関すること、つまり運動や食事、あと瞑想のことが書かれていたので、騙されたと思って朝に瞑想をやってみた。初日はよかったが、1歳の息子が起きてくるという外的要因があり、まだちょっと習慣づけは難しそうだ。
ただ、効果はあった。それは瞑想中にではなくて、日中の仕事で感情的になった時、瞑想状態を思い出すことで、制御できない感情を観察することができた。なるほど瞑想はこう使うんだな、と思った。
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「応用科学は世界を変えるので頂点である」とか「検証できないものを考慮しない」という物言いはちょっと受け付けないが、本人がそれなりに経験したことに基づいているのだろうから、ナヴァルさんはそうなんですね。と距離を取るにとどめる。
開発業務を少しやっている身としては(考えてみりゃ当たり前の話なんだけど)趣味で嗜んでいた哲学や、二の足を踏んでいた数学が、眼の前のプログラミングと完全に地続きになっているということに、目を見開かされたのが大きな体験だった。
「レバレッジをかける」という発想も、自分が業務において一番関心のある分野に通じていて、これは発見というより、やっぱりそうですよね!という感じ。
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読書の重要性についても説いていたけれど、これは…その人にいくつかの前提条件が揃っていないと、読書を愛でることはできないと思っているので、俺もナヴァルさんも、恵まれた身ですなあ!と思うに留める。
それでいて、高価な本というのがそんなに良くて、無料の動画だとどうしてダメなんですか?と質問されたら、まだあんまりうまく答えられない。「読書はいいぞ」と言うか、まあ楽しそうにこうして、読書感想文を書くことくらいしかできない。うーむ。
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著者は自分の信仰を「合理的仏教」と言っていたことについては、まあ…まあ、そういう考え方もあるよね!という感想を持つ。暗黙の前提として、この人は自分の力を強く信じているということなのだろう。手前味噌の合理性に自身のない俺は、非合理に向かって飛ぶ方がどうやら勝率がいいので、ここは人生のプレイスタイルの違いであるように思われる。
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