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神の手か

右足の膝をねん挫した。3月初めのことだ。1か月ちかく辛抱していたが、いっこうに痛みが癒えなかった。歩き始めのときや、長い時間歩いたあとには膝の内側の「腱」の部分に疼痛が走る。

リハビリテーションに通うことにした。骨に異常はないが、右ヒザの関節の隙間が、内側が少し狭くなっている、というのがレントゲンの見立てだった。で、リハビリをすることになった。

その後1か月、平地を歩くだけなら痛みを感じないところまできた。長い時間歩いても平気だ。リハビリは筋肉をつけるため。足上げで太ももを鍛錬し、ストレッチで筋を伸ばし、マッサージを続けた。

でも、屈伸運動や、「蹲踞(そんきょ:お相撲さんが土俵で仕切りの時の座り方)」の姿勢をとると痛い。

インストラクターの彼が、右膝をもって内側に外側にかるく屈伸させたり、足首を反って大腿とふくらはぎの筋肉を伸ばしたり、股関節をストレッチして、「どうですか?」と言う。

蹲踞(そんきょ)をしても、まったく痛みを感じない。
「神の手」だ。

素人は、右膝が痛いときは右膝だけをリハビリするものだ。そうじゃないらしい。弱いところを強くする以外に、他の筋肉の使いようでカバーできるのだという。

なるほど、そんなものか。筋肉の使い方をちょっと変えるだけで弱みをカバーできる。やり方を教えてもらって帰った。

家に帰って家人に話をし、ほら、こうやればいいんだ。と、見よう見まねでやってみた、ところが、痛いのだ。どうして?

「神の手」リハビリを会得するには、まだ通い方が足りないのだろうか。向こうで痛みを感じなかったのは事実だ。やればできる、はず。「神の手」目指して、リハビリは終わらない。