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ESG経営の原点は利益の追求、それより生活をかえるイノベーションを

6月は3月末決算会社の株主総会が集中する。数年来、おもに気候変動問題に対する会社の姿勢・情報開示と方向性がもとめられている。企業にとっても、ESG経営に取り組むことは、市場競争力の強化、企業価値の向上、経営リスクの軽減にプラスだといわれている。
 
株主のESG投資の原点はなにか、もちろん、利益の向上と配当が主目的である。つまり、地球環境や世直し、生活の改善・向上ではない。
 
例をあげよう。
 
Apple:
2030年までにゼロカーボンな製品をつくることを目標とし、一例として多くの金属を使う電源アダプターの同梱を廃止した。
 
積水ハウス:
戸建て屋根につけた太陽光発電の余剰電力買い取りをおこない、自社の電力に利用している。
 
花王:
既存商品の製造から廃棄に至るまでのCO2排出量を削減し、「いっしょにeco」マークを表示してPRする。容器の減容とリサイクルに積極的に取り組んでいる。
 
三菱ケミカル:
リサイクルなどによって資源を有効活用したり、再生可能燃料を積極的に使用。植物由来の生分解性樹脂BioPBS?の開発した。
 
各社、がんばってやってますとアピールしている。だが、化石燃料を使わない電力、リサイクル資源を活用した製品、生分解性プラスチックの容器、環境負荷の高い付属品の廃止など、これらはすべて既存製品の枠をこえていない。つまり、できた「モノ」は変わっても「機能」は同じなのだ。
 
企業のESGへの取り組みは、わたしたちの生活を向上させ、一変させるようなイノベーションとは別物なのである。悪いとは言わないが、ESGはそこそこにして、もっとドラスチックな変化が欲しい。