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Googleは小学生のためならず

小学校の理科教育のお手伝いをしている。サービスの相手は生徒じゃなくて先生だ。実験の準備はもちろんのこと、実験のない授業にも出て、生徒の理解度や考え方を手助けし、質問に答えることもある。

時代だなあと思うのは、授業の進め方だ。生徒ひとりひとりにノートパソコンがあり、先生の指示に従ってネットで調べたり、グループで話し合ったことをまとめたりするのに使っている。その「調べもの」の入り口がGoogleなのだ。

今日は5年生と6年生の授業だった。6年生は人や植物の水や栄養の吸収と排泄、5年生は台風の単元だ。それぞれ「水の吸収」、「台風19号の情報」を調べるという課題に対して、先生はGoogleで調べなさいと言う。

生徒のパソコン操作はわたしよりも手馴れている。横で見ていても目がついて行かないほどだ。コピペもなかなかのもので、文章はもちろん、絵や写真を切り取ってテンプレートに貼り付ける。45分授業、その間に学習の課題を理解し、調べ物をして、グループで話し合ってまとめ、発表する。

調べることが先で、まとめることが次で、発表することが大事なのはわかる。が、自分で考えることが見えないのだ。

45分じゃ、考えさせる時間がとれない。単元を時間内にこなすには、考えるよりも先に調べる、まとめる、発表する、のスキムが優先する。

Googleは生成AIを搭載して、さらに使い勝手が良くなるだろう。調べたものは目的により近いものが得られるだろう。その結果、「考える」ことが追いやられ、上手な、そつのない、しかもみんな同じようなまとめと発表をすることになる。

Googleは小学生のためならず。