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宿泊施設問題①「お部屋の掃除」

最近、どこの宿泊施設からも「部屋の掃除をしてくれる業者が足りない」という言葉を聞きます。
チェックアウトする際に部屋の掃除を始めているのを見かけたことがあるとおもいますが、ほとんど外注業者で対応しています。
今、このお掃除部門での人材不足が深刻になっています。
掃除する人がいなければ、たとえ部屋が空いていても受け入れることはできないのです。
それではなぜ人材不足かというと、やはりイメージがあまりよくありません。裏方の掃除で結構、きついわりに時給もそこまで高くないからです。今は高齢のスタッフや外国人スタッフでなんとか回しているがいずれ足らなくなるでしょう。
宿泊施設側もこの掃除部分では経費をおさえたくて、安い業者に頼みます。すでに金額のたたき合いが始まっています。その安い業者は少ない人数でたくさんの部屋を担当しようとします。結果、不十分な部屋の掃除で宿側も満足いかず、働いているスタッフもあまりに掃除する部屋が多く、手抜きを始め、最終的にはキツ過ぎて辞めてしまうのです。

以前、ある大学病院に入院した時のことです。
そこはいつも廊下がピカピカで常に掃除の人が働いていました。大して汚れてもいない廊下を仕事だから掃除しているんだなと思った僕は、こう声をかけました。
「汚れてないのに掃除するのも大変ですね」って。
そしたら掃除をしている若者はこうかえしてきました。
「いやー、目に見えない汚れもいっぱいありますから」
「確かに」と思いました。
宿泊施設の掃除もこういう若者が生まれてくればゴールだと思っています。
そこでいくつか解決策を考えてみました。

①宿泊施設掃除のブランディング
日本の宿泊施設の部屋の掃除は、世界一クオリティが高く、世界の人々から称賛を受けている。宿泊施設側も部屋の掃除のこだわりについてウェブサイトで公開し、サービスの1つに組み込む」
といったようなイメージをつけることが大事だと思っています。
一時、新幹線の車内の掃除が世界の人々に話題になったように。
このブランディングはそう難しいことではないと思っています。
宿泊施設のウェブサイトに追加コンテンツしてもらうお願い(又はオージャパンが代行してできる)やメディアにうったえかけることで解決します。

②宿泊施設お部屋掃除の効率化
今、ほとんどの施設で1人の人が1つの部屋を担当するというシステムを取っています。それよりもベッド、床部分、お風呂などカテゴリーわけで掃除をした方が効率がいいかもしれません。この仕事についた初日に全ての部門を覚えるのは非常に大変です。まずはお風呂だけ集中的に担当してもらい、次の月はベットメイクなど、効率的なやり方を探ることで、1人の負担が減っていくと思われます。

③宿泊施設お部屋掃除資格
宿泊施設掃除のある程度、基礎を学んだ人が受けられる試験を行います。そこで合格した人には認定書を与えます。それは全国共通のものです。宿泊施設の掃除の仕事は、看護師と似ていて、全国どこに行ってもある仕事です。宿泊施設というのはどの町にもありますから。どの町に行っても働ける場所があるというのは非常に大きい。そこで「認定書」があれば、掃除業者も教える手間も省けますから、雇いやすくもなるのです。フリーランスの掃除師という人も誕生してくるかもしれません。年配になってもできる仕事ですし、逆に高校生でもできる仕事です。高校生のうちに認定を取って、長期休暇に宿泊施設の掃除のバイトもできます。今、若者に主流のサービス業の仕事は、どんどん自動化が進み、減っていく可能性があります。手に職を付けて、一生働ける仕事を身につけておけばある意味安心です。

④外国人スタッフの場合は緊急のお客さんとの多言語対応も
これはあくまでも補足ですが、外国人スタッフを雇った場合、フロントで英語対応で困っていたら、掃除スタッフが急きょ、通訳対応をしてあげるサービスも導入すると宿泊施設側もお願いしやすくなると思います。あくまでも保険という意味合いで、考えてもらえたらいいんじゃないかと思います。

この①②③(④)をクリアできれば、人材は増えてくると思います。
自社でお掃除部門を作って、サービス展開するか検討中です。
興味ある方は一緒にやりましょう。



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