モビリティデザートの悪循環を断つビジネスモデル「Renault - Cars To Work」
2024 Cannes Lions Awards
Grand Prix:Creative Commerce > Engagement
Grand Prix:Sustainable Development Goals > Prosperity
2 Golds, 2 Silvers, 7 Shortlisted
Deconstruction
Brand
Renault - フランスの歴史ある自動車メーカー
Target
モビリティデザート(公共交通機関やその他の移動手段が非常に限られている、または全くない地域)に住んでいて、移動手段の不足が原因で仕事に就くことが難しい人々。および一般市民
Issue
フランスの4割が住むモビリティデザートでは、公共交通機関が不足し、移動手段の欠如が雇用機会を制限している。試用期間中の求職者はカーリースの資格が得られず、「車がなければ仕事がない。仕事がなければローンが組めない。ローンがなければ車がない」という悪循環に陥っている。
Challenge
モビリティデザートに住む求職者が仕事に就きやすくし、多くの人が安定した収入を得ることで、社会的包摂を促進する。ルノーグループのブランドイメージを強化し、競合他社との差別化を図る。
Barrier
試用期間中に車を購入するリスクへの不安。
Driver Insight
仕事の機会を手にして安定した収入と生活の向上を実現したい。
Creative Insight
先に車を提供さえできれば、悪循環を断つだけでなく、就職率が向上し、安定した収入と生活の向上が実現されるのではないか。それはルノーの社会的評価と、結果的にルノーの利益にもつながるのではないか。
Idea
”Renault - Cars To Work"
試用期間中の求職者に無料で車を提供し、仕事が確定するまで支払いを開始しない仕組みづくり。移動手段の欠如という大きな障壁を取り除き、求職者の仕事の機会を広げ、安定した収入と生活の向上を実現する。
モビリティデザートに50のディーラーネットワークを展開し、FranceTravail.frと連携してオファーを推進。また、Adie、Caisse d'Epargne、Parcours Confianceが資金調達を支援し、ルノー、ダチア、リニューのブランドで6000台の車を提供する。
2024年には1500の新しい契約が作成され、2025年には6000の契約が見込まれている。モビリティデザートに50のディーラーシップが創設され、受益者の94%が車が仕事を見つけたり確保するのに役立ったと回答。永久雇用の割合は2.5倍に増加し、83%が職業生活に、96%が個人生活にポジティブな影響を感じている。
Transformation
モビリティデザートでは
車がなければ仕事が得られない → 車がなくても仕事が得られる
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