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無意識下で欲しているメニューを自動で選ぶ「The Subconscious Order」


Summary

サウジアラビアで初の食品配達アプリとして登場したHungerStationは、多くの競合に直面しながらも、最も革新的な食品配達サービスとしての地位を確立しようとした。そこで注目したのは、ユーザーがオンラインでメニューを選ぶのに年間平均約132時間を費やしているという問題。この圧倒的な選択肢に直面することで、脳は決断を下すのが難しくなり、間違った判断をすることがある。

問題の原因は、「多くの選択肢から食べたいメニューを選べることは便利だ」というユーザーの思い込みにある。

しかし、その思い込みの奥には「楽して、食べたいものを食べたい」というインサイトが隠れている。これがフードデリバリーサービスを選ぶ理由のはずである。このインサイトに応えるため、HungerStationは「顔認証とAIを使って、ユーザーが無意識下で欲している食べたいメニューを導き出せる」という技術に着目。この技術を利用して、苦労せずに食べたいメニューを選べるシステムを構築できないかと考えた。

そこで、顔認証とAIを使い、メニューを見ているユーザーが無意識下で何を食べたいかを導き出すアプリをリリース。

このアプローチにより、「フードデリバリーサービスの便利さとは、自分で何でも選べることではなく、選ばずにアプリが自動で選んでくれることにある」という価値変容を通じて、革新的な食品配達サービスとしての地位を強化した。



Deconstruction

Brand
HungerStation - サウジアラビアで初の食品配達アプリとして登場。

Target
フードデリバリーを利用する人々。

Objective
ユーザーがオンラインでメニューを選ぶのに年間平均約132時間を費やしていおり、この圧倒的な選択肢に直面することで、脳は決断を下すのが難しくなり、間違った判断をすることがある → メニュー選択の負担をテクノロジーで解決することで、最も革新的な食品配達サービスとしての地位を強化し、選ばれるブランドになることを目指す。

Barrier
多くの選択肢から食べたいメニューを選べることは便利だ、という思い込み。

Insight
楽して、食べたいものを食べたい。

Thought starter
「顔認証とAIを使って、ユーザーが無意識下で欲している食べたいメニューを導き出せる」という技術に着目。この技術を利用して、苦労せずに食べたいメニューを選べるシステムを構築する。

Idea
"The Subconscious Order"
「Proudly the Second Best IKEA(2番であることを誇りに思う)」というメッセージを基に、子供を世話する親と、そのそばで支えるように存在する子供向け家具を描いたプリント広告と映像。家具ではなく親子の絆にフォーカスを当てることで、親が子供にとってベストであること、そして家具を使わないことで手間がかかるとしても、子供にベストを尽くす親の献身を称える。

Transformation
フードデリバリーサービスの便利さへの価値変容
自分で何でも選べること → 自分では選ばずにアプリが自動で選んでくれること

Result
革新的な食品配達サービスとしての地位を強化。


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