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【後編】病院がトラウマになった話

いよいよ手術の時を迎え、私は担当医師から改めて手術内容の説明を受けました。

その医師は、本当に少し切ってしこりを取り出すだけの簡単な手術なので心配しないでくださいね的な事を言ったあと、こう続けたのです。

「手術を受けるのは今回が初めてなんですよね?私も今回が初めての執刀なので、初めて同士お互い頑張りましょうね!」

私は愕然としました。まさか初めての手術を担当するのが初心者だなんて。お互い頑張りましょうって、私は何を頑張ればいいんでしょうか。

不安で頭がいっぱいになった私は他に言葉が浮かばず、「望むところです」とだけ返して手術室へ連れて行かれました。

手術は局部麻酔で行われたため、私は手術中もずっと意識がありました。

手術にはベテランっぽいお爺さん医師も立ち会っていて、終始、初心者医師に後ろからあれこれ指示しているのが聞こえてました。

「違う・・・そこじゃない・・・そこは危ない!」

私の首でよっぽど危険なプレイが行われているのか、声を荒げるお爺さん医師。

焦りからか、ガチャガチャと医療器具を床に落とす初心者医師。

その様子に、「これはもう助からねぇ」と思った私は、次生まれ変わったら何になりたいかの候補を黙々と考えていました。

しかしそんな心配も杞憂に終わり、手術は無事に成功。

取り出したしこりの検査結果についても後日説明を受け、良性なので特に問題なしとのことでした。


体に異常がなくて本当に良かったですが、それよりも、病院の怖さが深く心に刻まれました。

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