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【前編】病院がトラウマになった話

私が20歳になったばかりの頃、喉仏のやや右上にしこりができていることに気付きました。

癌だったらどうしよう・・・と思いながらも、早期発見に越した事は無いよな、と自分を鼓舞して病院へ相談に行きました。

なんかいろいろ診察した結果、「手術で取り出して見てみないと悪性か良性か分からない」とのことで数日後に手術することに。

少し開いてしこりを取り出すだけの簡単な手術とは聞いていたし、今思うと本当にリスクの無い手術だったのでしょうが、当時の私は手術なんてしたことが無かったので、手術当日までの数日は不安で仕方ありませんでした。

痛いんだろうか、失敗したら死んでしまうんじゃないだろうかという考えがぐるぐると頭を巡り、手術前日には友人たちに「今までありがとうな」という意味深なメールを拡散する始末。

そして手術当日。「見慣れた景色でも今日が見納めかもしれないと思うと全てが美しく見えるな・・・」などと思いながら病院へ向かいました。

病院に着くと、なんかいろいろ書かされた後にまず点滴をすることに。

椅子に座らされた私は、私の右腕にテキパキと点滴の針を刺す看護師さんを「手慣れたもんだなぁ」と思いながらぼーっと眺めていました。

これだけ手慣れた人なら安心だなと思い、私は心を許し始めていました。しかし、その信頼はすぐに消え去りました。

その看護師が「あ・・・」と呟くのを聞いて右腕の方を向いた私の目に映ったのは、私に刺さった針のケツの方から吹き出す私の鮮血でした。

足元に広がる自分の血の海を見て頭が真っ白になった私は、謝りながら血の海を掃除する看護師さんに「血の気が多い方なので丁度いいです」とよく分からないフォローをしていました。

他の看護師の援軍が駆けつけたおかげもありその場はなんとか収まり、私は無事に点滴を装備することができました。

しかし、そんな私を待っていたのは更なる試練でした・・・。(後編に続きます)

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