見出し画像

それ「esports(eスポーツ)」じゃなきゃダメですか?(約2,600文字)

「それってゲームのイベントですよね?」という一言に対し「いいえ、これはesportsです。」という人がいました。「あの、でもこれってゲームのイベントですよね?」ともう一度言われても「いいえ、これはesportsと呼ばれていて…」と再度説明がはじまります。

「これはeスポーツです!」あなたならどうする?

こういう場合、私は横から割って入って(あーだこーだ)何かしら言うべきだったのか、それともいつもどおり(オホホホホって感じで)すまし顔で黙ってやり過ごして正解だったのか、ケースバイケースな面はありつつも、それでもなんだか「どうしてもesportsにしたい人」的なあのやり取りには違和感が残りました。
お話しされていた方もパブリッシャー側から受諾してイベントを運営されている会社の方のようでしたし、何か悪気があって(或いは、こだわりはあったのかもしれませんが)頑なに「esports」というワードを固持されていたわけではないとは思うのですが、なんだか後になって喉のあたりに魚の小骨が引っ掛かるようなやりとりだったなぁ、と。

対象となっていたタイトルは何であれ(あえて書きません)、正直、コンシューマであっても、アーケードであっても、PC、モバイル、何であっても、人と人が対戦する機能があり、そのイベント(大会)が開かれ、そこに大小問わず競技シーンがあるのであれば「esportsシーン」ですとか「esports要素」といった表現を用いること自体に違和感はないと思います。ここは私も異議なし。但しそれはゲーム市場の中にいる側から外に向けての話であって、あまり詳しくない異業種の人に対して「esports(eスポーツ)連呼」であったり、「これがesports(eスポーツ)なんです」的な言い方を固持するのも私自身は少し抵抗がありますあるかなぁという感じです(言葉なんて伝わればいいじゃない、ですとか、結果的に興味持ってもらえるキッカケがあるならそれでいいじゃない的な)。

私たちのeスポーツの土台となっているもの

日本国内でesportsを推進し始めた人たちが大好きなDOTA2やLoLをはじめ、その多くは既にパブリッシャー側の積極的な展開とスポンサー獲得の努力により市場にエコシステムが形成されはじめ、お金の流れも、動く金額も、国内とは違った形で日々発展を遂げています。esportsに関しては後れを取っている日本がそれらを追いかける・トレースしていくことは悪くはないことですし、独自の発展を遂げることで日本独自の生態系の形成を成すことはある程度可能になるのかもしれないと思っていた時期もありました。ただ、ゲーミングPCがめちゃくちゃ普及しているわけでもない私たちの国のゲーム市場は、コンシューマとアーケードのベースと、アナログ且つローカルなコミュニケーションの歴史の上に築かれてきていて(カードゲーム、ボードゲームを含めるとその歴史はより深みを増します)、いわばスマホタイトルや今のesportsタイトルとされるものはそれらの土台の上にあるわけです。
土台っていってもそれらは単なる土台ではなく、そこには人の思いと時間の積み重ねとパブリッシャー及びそれらに関わってきた全ての人々の存在があることを忘れてはいけません。そのうえで今この瞬間を起点に、ベースがそもそも違うにもかかわらず、無理して何でもかんでも「対戦要素があればesports」みたいな呼び方は、少なからず私自身は違和感がありますし別に昔から多くのプレイヤーが参加してきた「ゲーム大会・ゲームイベント」でよくない?って思ってしまうんですよね、シンプルにわかりやすく。

ちなみに私自身もゲームの業界とあまり関係ない人と接するときは「esports(eスポーツ)」というワードは自分からはほぼ使いませんし、ゲームの業界の方々とお話しする際も自分から使うことは稀です。
いつも言っている通りesportsがスポーツであってもそうでなくても私はどうでもいいと思っていますし、私の生活には特に何の影響もないのであまり興味がありません。ですが、私の周りの人や、国内esports市場のお金の流れに関わっている人、そのお金の流れを欲している人たちにとってはその話がなかなかに興味があるものなんだなぁという印象は受けています。なにか「対戦機能があるゲームがすべてesportsでないと困る理由」でもあるんでしょうかね(オホホホホ)。

それ「esports」じゃなきゃダメですか?

一方で「ゲーム依存症」というワードや、一定数は必ず存在する「ゲームは悪」「ゲームばかりやっているとバカになる」的な層と向き合うときに「esports」であったり「esportsはスポーツ論」が一定の役割を果たすこともあるでしょう。でも、それって誰が誰を守っているんでしょう。誰が何のためにそれを用いているんでしょうか。
そんな中、ネットのニュースで見かけた「社内でesports大会を実施!」それによりコミュニケーションの活性化…といった類のニュース。普通に「社内でゲーム大会を実施」とか「社内でゲームの対戦会を実施」でよくないですか?(笑)「社内のesportsサークルで」とかさ「社内のゲームサークルで」ってことでしょ?そんな真剣に競技シーンに向けて練習してないでしょる人って結構レアな気がするんだけれども。そして、その一方で真剣に競技シーンや人生かけてゲームと向き合おうとしている人たちを見ているとね、いろいろと思ってしまうとこともあるんですよね。という話。

誰にも負けたくない、友達の中で1番上手くなりたい、地元のゲーセンで1番になりたい、ネットのランキングで一番になりたい、自分の住んでる県で一番になりたい、日本で一番、世界で一番…純粋な「1番」や「勝ち」を追求しゲームで腕を磨いてきたその人たちや、ゲームが好きな人たち、ゲームに救われた人たち、ゲームでつながった人たち、こういう人たちは「esports」というワードでどれくらいハッピーに、笑顔になれたのでしょうか。

私は別に「ゲームはゲーム」でよいと思うし、これからも自分の人生を楽しみながらゲームとも楽しく付き合っていきたいと思っています。という非常に無責任で適当なお話でした。
また気が向いたら何か書きます!
そんじゃーね!

※もし読んで気に入っていただけたら、どんどんシェアしてくださいね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?