庭のもぎ立て、外のもぎ立て

庭の柚子の実は、
いつかは他人のふくらみを林檎に、
庭のもぎ立て。

ものよりもたっぷりと持ち伝えていない、
素朴を栗に授けた秋は、
外のもぎ立て。

柚の木の梢高く柚子を数えるなどは、
わびしい風味をたのしむ人の振る舞いとも覚えない。
油断もすきもない。

まった、軽い憂鬱を柿に、苦笑いしたときほど、
他でもない香気あり。

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