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情熱は確かにあった

なにものでもなかった2人がなにものかになった日。
最終話はコロナ禍に行なわれた「たりないふたり」配信ライブの模様が描かれていた。
思えば冴えない高校時代から始まり、ずっと何かを探し求めていた2人がここまで来られたのは奇跡や運なんかではなく、妬み嫉みと努力の賜物。
2人に共通するのは”漫才が好き”ということだ。

「みんな死んじゃえ」って顔してた若林くんと他人を妬むことしかできなかった山ちゃんが必死にもがいた結果、掴んだ世界だった。
それだけではない。若林くんは春日を「春日」にし、山ちゃんはしずちゃんの才能を見出し輝かせた。

「だが、情熱はある」は神回が多いと思う。
南海キャンディーズがM1決勝に進んだ回、オードリーが敗者復活戦を勝ち上がった回。
M1は結果がわかっているのに応援し、結果に涙した。
その漫才は間違いなく南海キャンディーズであり、オードリーだった。
そして2人が出会った回では、若林くんの「会う人に会えるように頑張る」が心に響いた。

このドラマ、何より演じる高橋海人と森本慎太郎が素晴らしい。
ジャニーズだと見くびっていては失礼どころか土下座もんだ。
同化してしまっているのでは?と思うくらいの再現性の高さ。
なんの違和感も感じず、めっちゃ若林くんだったし、山ちゃんだった。
2人がドラマに出ているように錯覚しそうなくらい高橋くんは若林くんを生き、森本くんは山ちゃんを生きていた。
相当な研究と努力の成果だと思う。
今期ドラマで最高レベルなのではと感じるほど。最終回での配信ライブシーンが圧巻だった。フルで見たいくらい。
「足りてる世界へ行くんだ」という件が泣けた。

なにものでもなかった2人が夢を描いて、真っ白なキャンバスに壮大な風景が描かれたのではないかと思う。


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