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お肉の色について

なぜかどれだけお肉に火を入れても、お肉が赤いまま。こんな経験ありませんか?

これは一般的なご家庭で調理するときにも起きる事があります。レストランやお惣菜などを販売するお店にとっては赤いままのお肉というのは加熱がしっかりできてないモノを提供しているお店としてお店の存続に関わる死活問題になりかねません。

NZに来てはじめの1ヶ月間働き始めたのはお肉の除骨、カットスライス、ハムやソーセージなどの食肉製品などさまざまな仕事をされている工場でした。
着いて間もなく、ハンバーグが焼いても焼いても赤いということで、悩まされているシェフがおられました。 
原因は玉ねぎの持つ物質が働き、加熱しても赤いままなのではないかなどと推測し、玉ねぎをぬいてみたりなど色々と試されたそうです。
 


実際に見てみると、中心温度は80℃を満たすほどに加熱十分な状態でありながら、中は赤いまま。私自身は焼いた結果しか状況を把握できていなかったため、製造工程を見せてもらいました。
現場で悩んでいる"原材料"は特に原因となるようなものは入っていないことは聞くだけでも明らかでした。憶測ではありましたが、どこかでコンタミネーション(交差汚染)してる可能性があるのではないのかと仮説をたてて見させてもらったところ、ハムやソーセージの製造スペースと同じ場所、同じ機械で作られていました。ハムやベーコンには発色剤と呼ばれる添加物を使用するケースがあります。(ハムやベーコンが加熱しても綺麗なピンク色をしているのはこの添加物が働いてるため)
完成したハンバーグのミンチをみると、発色剤を添加した際の特徴的な色が出ていたので、完全なるコンタミネーションということを伝えました。もちろん廃棄処分になります。

発色剤とは日本では主に亜硝酸ナトリウムのことを指し、お肉が持つ色素たんぱくと引っ付いてお肉を加熱しても赤いまま維持してくれる役割が一つとしてあります。
専門的な話にはなりますが、この添加物の使用基準が法律として存在しています。添加量ではなく残存量に決まりがあります。亜硝酸ナトリウムはお肉の色素たんぱくと引っ付いて消費されます。ただ中には色素たんぱくと引っ付かないものもいます。その量に決まりがあるというものです。
………。
だらだらと難しい言葉を並べても仕方がないので簡単に…。下の写真を見て下さい。

左から鶏肉、豚肉、牛肉

同じお肉と言ってもこれだけ色が違うんですよね。並べてみると一目瞭然です。お肉が持つ色素たんぱくが鶏肉<豚肉<牛肉の順で多くなっていると言うことになります。ここに同じ量の発色剤を使用した場合、鶏肉は残りやすく、牛肉は消費されやすいということになります。

普段、鶏肉は色が薄いなぁー、牛肉は色が濃いなぁー。なんて気にもとめないようなことが実は添加物を使用する際に考えて使わなければいけない、食肉製品を作る上で非常に大事なことになってきます。(もちろん発色剤を使用できるのは資格を持った人。この知識を持っている人が作っているので安心です。)


脱線しましたが…、技術者として、未熟極まりない中、海外のbutcherに足を踏み入れて、周りの人たちは大したことない日本人だと思っていたと思います。今も思われていると思います。そんな中、自分のcharacter(キャラクター)を出すことができ、前職の経験は無駄ではなかったのかなと感じました。

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