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意外と知らない、消費期限と賞味期限の違い

こんにちは。おいしい健康 管理栄養士のまいまいです。

牛乳を飲もうと冷蔵庫から取り出し、ふと賞味期限を見ると、「あ、賞味期限が昨日までだ…」。開封もしていない1Lの牛乳が丸々1本。
「この牛乳どうしよう、飲み切るのは無理だし、でも捨てるのも勿体ないし…。」どうしようか考えていると、ふと母からの電話を思い出しました。

「賞味期限が2日切れた牛乳って飲んでも大丈夫?」

栄養士だからか、以前食品メーカーに勤務していたからか、母だけでなく友人からもたまに聞かれる、「賞味期限が切れているけど食べても大丈夫?」という質問。
もちろん一概に大丈夫とは言い切れないけれど、賞味期限が切れてしまっても、食べても大丈夫な場合があります。
賞味期限がすぎてしまっても安全に食べられる場合もあるのに、捨てられるのは勿体なく、とても悲しい…。そういったことが少しでも減るといいなーと思いながら、賞味期限について考えてみました。


消「費」期限と賞「味」期限


そもそも食品を美味しく安全に食べるために決められている期限は2つあります。ひとつは消費期限。そしてもうひとつは賞味期限。※

「消費期限は安全に食べられる期限」のこと。品質の劣化が早いもの、つまりお惣菜やお弁当、肉や魚、ケーキやサンドイッチなどに「年月日」で表記されています。消費期限が切れた食品は、見た目や匂いに変化がなくても、安全のために食べないほうがいいので、消費期限内に食べきる必要があります。

それに対して「賞味期限は品質が変わらず、おいしく食べられる期限」のこと。カップ麺やスナック菓子、飲料や缶詰、レトルト食品などに表記されています。賞味期限が3ヶ月以上あるものは、年月日ではなく、年月で表記されていることもあります。
「おいしく」食べることができる期限なので、賞味期限をすぎてもすぐに食べられるなくなるわけではありません。
ただし、それは適切な保存場所未開封で保存した場合。
常温で保存できる商品でも、冷暗所で保存と記載があることが多く、直射日光が当たる場所や暑い場所に保管すると劣化が進んでしまうことも。
また賞味期限は、未開封で保存した場合なので、開封したらすぐに食べる、食べ切れない場合も適切な場所で保存し、早めに食べきることが大切です。

※農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html

賞味期限も消費期限もない食べ物

ドレッシングに入れる野菜

スーパーにいくと並べられている色とりどりの野菜や果物。
水煮などの加工された野菜と違い、これらに消費期限や賞味期限の表記はありません。
なぜかというと、農家などで収穫してから運搬し、店頭に並ぶまでの保存状況や販売状況が異なるから。収穫した時点で「このトマトの消費期限は何日まで」と決めるのが難しいのです。

また、消費期限や賞味期限は【油脂の酸化度合いや水分含量を調べる理化学検査】、【食中毒を引き起こすような菌数を調べる微生物検査】、【実際に食べてみて味に変化がないか調べる官能検査】という3つの検査により決定されています。
ちなみに冷凍保存されたアイスクリームは微生物が増殖しないため、消費期限も賞味期限がありません。塩や砂糖に期限がないのも同じ理由。
初めてそれを知ったとき、「賞味期限のない食べ物があるんだ!」と驚き、スーパーに行って色んな商品を見てみました。実際に賞味期限が印字されていないアイスクリームや塩を見て、衝撃を受けた記憶が。でもそれ以来、いつ買ったか覚えていない塩や砂糖でも安心して使えるようになりました。


丸々あまった牛乳の使い道

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賞味期限間近になったり、過ぎてしまいがちな牛乳。実は牛乳は種類によって消費期限と賞味期限が設定されています。
この違いは殺菌の違いによるもの。実は牛乳には超高温で短時間殺菌する方法と、低温で長時間殺菌する方法があります。超高温殺菌された牛乳は、菌が死んでいるので長持ちしやすく賞味期限とされていて、短時間殺菌は菌が生きているので、消費期限としています。スーパーなどで並んでいる牛乳のほとんどは消費期限が印字している超高温殺菌されたものですが、賞味期限が印字された牛乳を発見したら、飲み比べてみるのも楽しいかもしれません。
もちろん、消費期限でも賞味期限でも未開封の場合なので、開封後は早めに飲み切る必要があります。

1本丸々残っていた牛乳。確認すると「賞味期限」だったので、1日切れていまいましたがクリームシチューと牛乳寒天にしておいしくいただきました。寒くなってきたので、温かいシチューとほどよい甘さの牛乳寒天にほっこりした夕食となりました。

クリームシチュー

プルルン牛乳寒天

ごちそうさまという幸せをあなたに

消費期限内はもちろん、少し過ぎたからといって食べられないわけではない賞味期限内でも早めに食べた方がいいのは事実。
私は以前、食品の管理が下手で食品を無駄にしてしまい、罪悪感を抱くこともありました。
食品ロスも問題にあがる今日この頃、消費期限と賞味期限を意識し、作ってくれた方、そして何より食品に対する感謝を持って無駄にすることなく、おいしく安全に食べたいなと思います。

おいしい健康管理栄養士 まいまい