自分を励ます映画の話
不器用で不幸せで孤独で、人生フルスロットルで生きた松子から元気をもらえる映画「嫌われ松子の一生」
救いようがないようなストーリーに、軽快な音楽とどこを切り取っても絵になる映像美が相まってマイルドになってるからめちゃくちゃ観やすい。
寂しさを埋めたいが為に起こした行動がもっと自分の心を深くえぐってる事とか
そういう人間の腹の底に溜まってる黒くてドロっとしたものをすくいあげて見せられてるような気持ちになって
めちゃくちゃ感動する訳でも、めちゃくちゃ共感する訳でもないのに気がつくと涙がボロボロ溢れてくるし
希望と絶望が新幹線みたいな速さで目の前を通り過ぎていくような不思議な気持ちになって
重たいストーリーとは裏腹に観終わった後、何故か救われたような気持ちになる。
私が初めてこの映画を観たのは高校生の頃、丁度その頃私の家族は散り散りになって心に少なからず孤独みたいなものが住んでいた。
毎日、バイト終わりにTSUTAYAまで行ってDVDをレンタルして帰って、寝る前に映画一本観るのが習慣になっていた。映画を観ている時間が、自分にとって現実を束の間離れる事が出来る逃げ場所だったからだ。
その時にこの映画を観て、松子の孤独でどうしようもない人生が救いに思えた。
それは最後までどうしようもない人生でも、愛してくれる人が1人はいて、心配し応援してくれる人がいて、忘れずにいてくれる人がいて、松子は孤独でとうしようもない人生なんかじゃなかったと思えたからだ。
10年以上経った今、あの頃孤独にのまれなくてよかったと心底思う。生き続けてたら見える景色はどんどん変わっていくし環境もどんどん変わっていく。
孤独だった過去があっても孤独な現在はない。
人生の分岐点に在った一本の映画に救われた事を今日はつらつら書いてみました。
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